タイトルの通り、2019年も早々にやっちゃいました。
今までず-っと欲しいと思っていた角型フィルターをついに買っちゃったんです。
ということで今回はこの抑えきれない喜びをご報告させてください。
- 角型フィルターはじめました!
- 導入の経緯
- 角型フィルターデビューを決意!
- どのメーカーのものを買おうか
- KaniかNiSiのどちらにしようか悩むが最終的に…
- NiSiのシステムで構築しようと決めた最大の理由
- NiSIQホルダーを開封してみよう
- どの角型フィルターを購入するか
- NiSi角型フィルター 150mmシステム スターターキットがお得!
- 念願の「角型フィルター」を使ってきました
- 今回登場した製品
スポンサードリンク
角型フィルターはじめました!
いやーついに長年憧れていたアレに手を出してしまいましたよ。
その名も「角型フィルター」!
風景を撮られる方であればいつかは行きつくであろうこの製品についに私も手にしてしまいました。
今回は私が購入した「NiSi」の角型フィルターにたどり着くまでと購入したものについてをお送りしたいと思います。
※2021年よりKaniのフィルターを使い始めました。
こちらについても記事をまとめてありますのでよろしければこちらもご覧ください。
導入の経緯
以前から角型フィルター欲しいな欲しいなと思っていた私。
とはいえ、金額やらなにやらでなかなか手を出せずにいたんです。
そんな私が購入を決めたきっかけとなったのが、伊豆で写真を撮った時でした。
そう、新年早々の撮り初めでいきなり不満爆発しちゃったんです。
不満についてはこの時のことを書いた記事でもお話してますが改めてお話しますね。
私は主に二つの点に対して不満を感じました。
明暗差激しい時間帯の撮影でも自然に仕上げたい!
まずは上の写真をご覧ください。
これは朝日登る海部にて撮影した写真です。
朝日に照らされている海辺の岩々はおいといて、問題は左上方向の太陽に近い部分。
よく見ると真っ白になっているのがお分かりになるかと思います。
これは私が露出を右下の岩々にて調整して撮影したため、さらに明るい部分である太陽部分が明るすぎてしまったため起こりました。
いわゆる「白飛び」という状態です。
じゃあ逆にこの太陽部分に露出を合わせると…今度は右下の岩々は露出不足により真っ黒な状態となってしまいます。
こちらは「黒つぶれ」なんて言われる状態ですね。
この写真のように明るいところと暗いところの差が激しい場合、一方に合わせると一方が合わなくなってしまうんです。
これって皆さんも経験ありません?
ちなみにこれはレタッチで解決することができます。
私がよく使う方法は「HDR合成」です。
HDRとは簡単に言うと同一構図かつ異なる露出差の複数枚の写真を合成して一枚に仕上げる手法のこと。
これによりダイナミックレンジを更に広げて表現することが可能となるんです。
早い話、光の表現幅を広げて肉眼で見ている風景に近づけることが出来てしまうんです。
ただし「合成」であるということに注意しなければなりません。
複数枚を一枚に仕上げる…ということは動いているものがある場合はうまく表現することが出来ません。
今回の場合だと波はどうしても動いていますのでこの方法は使えませんでした。
また今年はコンテスト等にも応募したい私としてはなるべく手を加えたくないなって思ってるんです。
レギュレーション的にも過度な調整はNGってのが多いみたい。
そうなると…最終手段となるのが「ハーフNDフィルター」です。
ハーフNDとは角型のガラスにグラデーションのような感じになっているフィルターのこと。
これは後ほど登場しますのでまずはここまでにしときます。
超広角域をそのままにNDフィルターを使いたい!
そしてもう一点は画角についてです。
私の手元には「TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD」という超広角レンズがあるんですが、
NDフィルターを使用した長時間露光などの時にはこれよりも画角が狭い「NIKKOR 18-35㎜ f/3.5-4.5G」というやや超広角レンズを多用していました。
その理由、お分かりになりますか?
答えは「TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDには円型フィルターが撮り受けられないため」なんです。
フルサイズ用Fマウントにて発売されている14・15㎜域の超広角レンズはどれも前のレンズが飛び出している出目金形状となっています。
そのため通常のような丸形のフィルターを取り付けることができません。
私は丸型のNDやC-PLなどを複数枚所有してはいるのですがTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USDももれなく同様の形状となっているため取り付けNG。
そのためフィルター取り付けに対応している少し画角の狭い「NIKKOR 18-35㎜ f/3.5-4.5G」にて撮影を行っていた…というわけなのです。
ただ、やはり15㎜と18㎜の絵って当たり前ですがだいぶ違うんですよね。
特に広角域の1㎜の差って大きいなんてよく聞きますし、実際に私もそう思います。
当初は18㎜でも大丈夫!なんて思ってましたがたまに15㎜を覗いてしまうと…ああこれで長時間露光したらどんなに楽しんだろうって思い始めてしまいました。
また、せっかく15㎜f/2.8という良いレンズを持っているのにもかかわらず、自分の思うように使うことができないが為に防湿庫に置き去りにしていくこともありました。
これはもったいない…。
ちなみにZマウントで間もなく発売されるであろう「NIKKOR Z 14-30mm F/4 S」は前玉飛び出ていない為、
そのまま82㎜系のフィルターが装着可能な形状なので丸型のフィルターをそのまま取り付けることができます。
私がなかなか手を出せなかった理由の一つがこのレンズを見てしまったからというのもありました。
角型フィルターのシステムは非常に高価なので、この金額を出すのであればZマウントに移行してしまおうかとも悩んだくらいです。
とはいえ上に書いたハーフNDフィルターを使いたい場合は結局角型フィルターが必要になるということに気が付いたので思いとどまりました。
さらに、丸型フィルターを複数枚重ねつけした場合に広角端を使用するとほとんどの場合でケラレが発生します。
そのため日中長時間露光を行う場合などND1000+もう一枚なんて使い方をすると広角域での使用が出来なくなってしまうんです。
また私の場合は手持ちレンズの最大径である82㎜にて各種フィルターをそろえていました。
しかしながら「NIKKOR 18-35㎜ f/3.5-4.5G」のフィルター径は77㎜。
そのためこのレンズに装着するときはステップアップリングを使用して取り付けています。
この状態で使用すると…そうなんです、同じように広角域でケラレてしまうんです。
そのためケラレない画角までズームしてあげるわけなのですが…ひどい時には21㎜程度までズームしないと解消しないなんて時もありました。
これじゃあもう少しで標準レンズ域に入ってしまう…。
もちろん77㎜かつ一枚で済む濃度のものを用意すればいいんですが、正直今更77㎜フィルターに更新するのはお金的にも微妙です。
また持ち運ぶ枚数も多くなり管理も大変だし、今更やる気になりません。
どうせお金をかけるのであれば15㎜の超広角でもフィルターが使えるようにしたほうがいいと判断したのです。
15㎜の超広角レンズでも各種フィルターを使うには角型形状の特殊なフィルターが必要となります。
なんと奇しくもハーフNDフィルターも同様の角型フィルターと呼ばれるものの一つ。
つまり角型フィルターを導入してしまえば両者の不満を一度に解消することができてしまうんです!
角型フィルターデビューを決意!
ここまであれこれ考えていた時に伊豆へと撮影に行ってしまった結果、あれこれと考えだしてしまいました。
これはもう止まりません。
というわけで2019年一発目の散財となったわけでございます。
当ブログ、今年も平常通りの運行です。
スポンサードリンク
どのメーカーのものを買おうか
さてさて、念願の角型フィルターデビューを決意した私ですが悩むことはいろいろとありました。
その中でも一番に考えなければならなかったのが、角型フィルターを取り付ける「ホルダー」です。
角型フィルターを取り付けるにはレンズ前にそれを取り付ける専用のホルダーを取り付けて使うことになるのですが、作りや使い勝手がメーカーによって少し異なっていました。
はてさてどのメーカーのものが使い勝手がいいのだろうか…?
ということであれこれ調べる日々が続きました。
KaniかNiSiのどちらにしようか悩むが最終的に…
ちなみに角型フィルターで有名なメーカーは大きく分けて2社あります。
一つが「Kani」という会社、もう一つが今回購入した「NiSi」という会社です。
そのほかにも「Cokin」と「Lee」という会社がありますが今回は最初からKaniさんとNiSiさんで検討しました。
調べてみるとやはり評価が高いのはこの二社で、さらにコンテストやプロの方も多数使われているとのこと。
私もコンテストを視野に入れての導入を考えていたため当初から評判の良いこの二社から選定することにしました。
ちなみにフルサイズ機の超広角レンズに取り付ける場合、対応している角形フィルターサイズは150×150㎜となります。
NiSiのQホルダーを選びました!
https://nisifilters.jp/product/150mmsystem_qnisifilters.jp
Qホルダーを選んだ最大の理由は「脱着のしやすさ」です。
このホルダーは前玉方面からはめたあと、左右のねじを締めつけて固定するという簡単な機構となっています。
導入後、私はこれを登山でも使いたいなと考えていて、万が一天気が急変した場合などのシチュエーションでもすぐに対応できるものがいいなと考えました。
このQホルダーはシンプルなため考えた通りの使い方ができるんじゃないかなと思ったのです。
反面、機構が単純故にそのホールド性能がどんなものかと手にするまで不安でした。
角型のフィルター、特にNiSiやKaniのようにガラスを使用したフィルターというのはどれも非常に高価です。
こんなシンプルな機構で高価なフィルターをがっちりと支えてくれるんだろうか…と何度も疑問に思ってしまいました。
手にした今ではそれは杞憂に終わりましたが。
最新のS5シリーズもあるけれど…
ちなみに私が購入したQホルダーの他に、最新の「S5」シリーズというのが存在します。
https://nisifilters.jp/product/s5adapternisifilters.jp
こちらの特徴は角型フィルターの前に巨大な丸型フィルターを取り付けることが出来る点。
つまりあらかじめ使用したいフィルターをこの丸形部に取り付けておけば、
取り付ける角形フィルターの枚数を少なくできるという機構となっています。
上にも書いた通り、角型フィルターは高いので脱着はなるべく少なくしたいですよね。
そんな時この製品であれば複数枚を取り付ける必要がなくなるのでなかなか便利そうです。
Qホルダーよりも新しいということもあり、当初はこちらを購入しようと思ったのですが…
このシステムって意外とかさばりそうなんですよね。
私の場合、上に書いた通り登山にも携行したいと考えています。
そうなるとやはりフィルターなどは同一形状のものを同じように携行するのが一番楽だし荷物も少なくできます。
S5システムの特徴である大口径の丸形フィルターはそれだけで専用に持ち運ばなければなりません。
一番の売りである部分を逆にネックと感じてしまった結果…今回は旧来のQホルダーに決めたというわけなのです。
NiSiのシステムで構築しようと決めた最大の理由
ちなみにNiSiにするかKaniにするかは最後の最後まで非常に悩みました。
従来のKaniのホルダーは脱着がしづらいという話が多かったのですが最新モデルではNiSiのQホルダーとほぼ同様の形状となっています。
また両社から発売されている角型フィルターはどちらともに評判も良く、甲乙つけがたく最後の最後まで決めることが出来ませんでした。
そんな私が最終的にNiSiの製品に決めた理由は、角型ホルダーでも角型フィルターでもありません。
それはHPでした。
NiSiには製品HPの他に「Photographer+N」というサイトがあります。
ここにはプロやたくさんのの方々がNiSiの製品を使ってみてのレビューはもちろん、これから角型デビューする人達に向けてプロの方々からのアドバイスなどの記事がたくさんあります。
その内容、まるで専門書ではないかと驚いてしまいました。
国内だけではなく長時間露光が盛んな海外のプロの方のレビュー等も豊富で更に日本語訳までされている!
まさに目から鱗の内容に見入ってしまいました。
私もこんな風な写真を撮りたい…となると同じ道具を使えばあとは自分の努力次第。
そう考えて今回はNiSiの製品でシステムを組むことにしたというわけなんです。
今回欲しい情報を最も得ることができたのは間違いなくこのNiSiのHPです。
美しい作例もたくさん載せられていましたのでぜひ一度目を通されることをおススメします。
NiSi製品を使ったセミナー等も開催されているらしく私も申し込んでみようかなと検討中です。
NiSIQホルダーを開封してみよう
そんなこんなで購入したのがこのQホルダーです。
最新のS5シリーズがメインストリームなのか、旧来のQホルダーを販売しているところがなかなか見つかりませんでした。
ようやく見つかり無事に手元に到着です。
折角なので開封してみましょう。
素材はアルミニウム製で非常に質感がよいです。
NiSi角型フィルター製品はパッケージやら製品本体やらどれも高級感があります。
所有満足度は非常に高いと思います。
取り付けは簡単でレンズ前面から角型ホルダーをかぶせてあげます。
レンズ部四方にはピンが配置されていて位置決めしてくれるのであまり考えなくても大丈夫。
また各超広角レンズに合わせて専用設計されている為、フィッティングや干渉などなくばっちり取り付けることが出来ます。
その後、左右にあるこのねじを締めていくとロックされる仕組みとなっています。
締めが甘いとフィルターの落下につながるので要注意です。
完成した姿がこちら。
このフォルム、男心をくすぐりますね。
かっこいい…。
スポンサードリンク
どの角型フィルターを購入するか
さてさて、無事にホルダー選びが終了しましたがこれだけでは使うことができません。
次に必要となるのが…そう「角型フィルター」です。
偏に角形フィルターと言ってもその種類は様々あります。
特にハーフNDフィルターの場合、濃度のほかにもグラデーションの変化具合が異なる種類、
いわゆる「ソフト」タイプや「ハード」タイプ、さらにNiSiの場合「ミディアム」タイプもラインナップに存在します。
このほかにも「リバース」タイプといったようにかなり細かく種類が分かれています。
検討の末、私はハーフNDフィルターの「ND8」のソフトグラデーションタイプをはじめに買おうと決めました。
ハード程はっきりと境目のあるシチュエーションはあまり想像出来ず、ソフトであれば稜線上からの朝日や夕日から海での撮影など幅広く対応できるんじゃないかなと考えたためです。
しかしこうやってあれこれ見ているときというのは本当に楽しいものです。
HPの製品紹介を見ながら「ND64」と「ND1000」も欲しいなぁ…なんて妄想しながら楽しんでおりました。
その結果…
なんということでしょう。
ふと気が付いた時には欲しいと思った三枚がすべてが手元にあるではないですか。
そうなんです、思い切って欲しいやつ全部購入しちゃいました。
本当は一枚だけにしようかな…って思ったんですけどどうせ欲しくなるだろうし、
なにより写真を撮りに行って(ああ…あれを買っとけばよかった…)って後悔するのが一番嫌なんですよね。
結局自分が出来る範囲内であれば自分が欲しいものを回り道せずに買うのが最良の選択だと私は思ってます。
また写真の様に知識や技術が必要な場合はなおさら早く始めたほうが絶対いいです。
お金はすぐに稼ぐことが出来ますが時間は限られています。
なるべく後悔しないように出来る限りの最善を尽くしたい。
…なんかぐだぐだ言ってますがただの言い訳です。
NiSi角型フィルター 150mmシステム スターターキットがお得!
とまぁこんな感じで計三枚ものフィルターを購入したのですが実は単品購入ではないんです。
当初からこの三枚を購入しようと思っていたときにふとお得なパッケージ品を発見しました。
それは「NiSi 角型フィルター 150mmシステム スターターキット」という商品です。
その構成はというと、
・IR ND64(150×150㎜)
・IR ND1000(150×150㎜)
・SOFT IR GND8(0.9)(150×170㎜
・専用ケース
・クリーナー
が入ったセットとなっています。
なんとまぁ私が欲しかったフィルターがすべて入っていて、さらに専用ケースにクリーナーまでついてくるではないですか。
ちなみにフィルター三枚の定価で既にこのセットの販売価格を超えてますからかなりお得なんじゃないかなと思います。
どうせいつか買うならと思い、思い切ってこのパッケージを購入したというわけなのです。
パッケージはとても豪華
そんな角型フィルターの開封の様子もお伝えします。
上にも書きましたがこちらもとっても豪華です。
まずこのパッケージはというと、私のような素人でもわかるくらいのよい紙を使われてます。
なんかApple製品っぽい雰囲気があります。
更に中を開けてびっくり、なんと一枚一枚合皮のケースに入っているではありませんか…
背面には梱包しているフィルター種類も明記されてます。
なんかすごく写真屋さんっぽいですね。
そしていよいよ中身を取り出してみます。
ついに念願のハーフNDがわが手の中に…。
おお、なんて綺麗なんでしょうか。
見てお分かりの通り、私が購入したソフトタイプのハーフNDフィルターは上部分が黒くなっていて下に行くごとに薄くなっています。
この色の違いにより被写体の明暗差をなくすことが出来るんです。
またこの色の変化具合がソフト・ミディアム・ハードそれぞれで異なっていて、様々な撮影条件に対応できるようになっています。
しかし…きれいですよね。
おそらくガラスに蒸着をしているんだろうと思うのですが、ここまで均一に仕上げる技術力に感服です。
実は私、以前真空蒸着というややニッチな分野で仕事していたことがあるのですが均一に薬剤を飛ばすのはかなり難しいんです。
まして光学製品だと要求されるレベルも高く、このようなグラデーションを生み出すのは相当の技術と労力が必要なはず。
それだけの技術と時間を駆使して生み出された一品なので値段が高いのは仕方ないですね。
なんか久しぶりにこういったガラスを手にしたのでテンション上がってしまいました。
専用ケースがかわいい
スターターキットに付属するケースも見てみましょう。
フィルターケースと同じく合皮で出来ているのですが…見てください、この見た目。
かわいいですよね。
中には150×170㎜のフィルターを計6枚も収納可能です。
側はかわいいですが中は樹脂にて作られているようでかなりがっちりしてます。
なんか使うのもったいなく感じますが、しばらくはこのケースを使ってみたいと思います。
スポンサードリンク
念願の「角型フィルター」を使ってきました
ということでついに私の手元に念願の「角型フィルター」がやってきました。
いよいよ使った感想を…と思いましたが、長くなってしまったので今回はここまで。
次回は実際に使用してみたときのことを書いてみたいと思います。
角型フィルター握りしめ私が向かったのは再びの伊豆でした。
しかし角型フィルター…
難しいけどとっても楽しい!
次回は初めての角型フィルター体験の模様を私が撮影したへっぽこ写真と共にをお届けします。