ブログへのお問い合わせが大変多かったこともあり、
角形フィルターKaniへと変更してみました。
今回は導入した製品についてご紹介させていただきます、
- 角形フィルターを入れ替えました
- 角形フィルターのメーカーについて
- Kaniというメーカーについて
- 二メーカー間での互換性について
- Kaniの角形フィルターについてみていこう
- Kani Standard SetⅡ (150㎜)
- Kani CPL Filter 150×150㎜
- Kani StepUp Ring Set
- 2021年はKaniのフィルターを使っていきます
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角形フィルターを入れ替えました
カメラネタです。
NiSiのフィルターと入れ替えにKaniの角形フィルターを導入しました。
今回は導入した製品のご紹介と簡単な使用レビューをまとめてみたいと思います。
今回も動画がありますのでよろしければこちらもご覧ください。
地道にYoutubeも更新しております。
www.youtube.com
角形フィルターとは?
先に角形フィルターについてご紹介します。
角形フィルターは文字通り、「角形」形状のカメラレンズ用「フィルター」です。
これだけだとざっくり過ぎるのでもう少し詳しく説明すると…、
普段なじみのあるフィルターといえば皆様ご存知の「丸形」のものかと思います。
これはレンズ前面部に切られているねじ面部分に合わせて取り付けるもので、
中でもレンズ前面部の保護を目的とした「プロテクトフィルター」は、
フィルターを意識したことがない方でも知らぬうちに手にしているのではないでしょうか?
今回ご紹介する角形フィルターも使い方としてはの丸形と同じでレンズ前に取り付けて使用します。
この文面だけ見ると,
(使い方一緒なのになんで丸形やら角形というように形に違いがあるの?)
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですよね。
実はですね世の中には丸形フィルターが取り付けられないレンズが存在し、
また角形フィルターでしか賄うことが出来ない効果というものがあります。
先にこの辺りについて簡単にご説明していきます。
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丸形フィルターが取り付けられないレンズ達
上の写真は私が使っている超広角レンズ「SIGMA 14-24㎜ F2.8 DG DN Art」です。
広角端14㎜という超広角レンズはとても広い範囲を切り取ることが出来、
写りもお値段も良い感じということでとても気に入っている一本です。
ちなみに最近は12-24㎜のGMが気になってます。
使うの難しそうだけど憧れるよね。
このレンズ、前面部のレンズがにゅっと飛び出している形状となっています。
これは私の持つレンズだけがこのようになっている訳ではなくて、
超広角レンズや魚眼レンズのように一度に広い範囲を写すことができるレンズに多く見られる形状です。
まるで目玉が飛び出ているような見た目から、
「出目金レンズ」とか「出目金」なんて言われたりしています。
この見た目、なかなかインパクトがありますよね。
そして気になるのが取り扱い、
万が一傷でも付けて修理となったらとても高そうです。
早速プロテクトフィルターをつけようと思っても、
この形状のプロテクトフィルターは存在しません。
さらにこの形状ではプロテクトフィルターが取り付けられないものが殆ど、
つまり基本むき出しで使うこととなります。
(一部Nikon Zマウントでは取り付けが可能なものも存在します。デカいけど。)
プロテクトフィルターは仕方ないとしても、
問題なのが効果を与える特殊なフィルター類を使いたい場合です。
長時間露光や段数軽減を目的とした「NDフィルター」や、
入射する光の中の一部波長を遮る「C-PLフィルター」、
さらには都市等の光害を抑えるような「光害カットフィルター」等々、
デジタル現像があたりまえのなった今でもフィルターを使用しなければ撮れない、
表現できない技法も沢山存在します。
はてさてどうしたのものか…ということで登場するのが「角形フィルター」です。
ちなみに角形フィルターには様々なサイズが用意されています。
これはレンズやセンササイズにより使用するものが異なります。
大体の場合で角形フィルターサイズとセンササイズは比例の関係にあり、
センサが大きければ使用する角形フィルターも大きくなります。
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角形フィルターのメーカーについて
角形フィルターの二大メーカー
そんな角形フィルター、
現在は非常に多くの会社から発売をされていますが、
中でも日本で有名なのが「Kani」と「NiSi」の2メーカーです。
この二社のフィルターはどちらも非常に高品質かつ高性能なことで有名でプロのカメラマンの方々からも愛用されています。
とりあえず迷ったらこの二社から選んでおけば殆ど問題はないかと思います。
なんやかんやで私は両方のフィルターを使いましたが不満を感じることはありませんでした。
Kaniというメーカーについて
今回ご紹介する角形フィルターは「Kani」という製品のメーカーです。
KaniもNiSiはどちらも中国のメーカーですが、
決して安かろう悪かろう製品ではありません。
そもそもの話、どちらの製品共全くもって安くはありません。
調べてみたところKaniはNiSiより後に出来た会社のようです。
元々創業者さんはご自身で写真を撮られる方で、
自身が使用するにあたり満足できるものを作るためこだわりを持って設計開発及び生産をされているそうです。
そんなKaniの製品の日本代理店がロカユニバーサルデザイン株式会社さん。
www.loca.design
一昨年のホルダーや今回購入にあたりお世話になりました。
Kaniは意欲的に製品開発されている印象があります。
星の光芒を特徴的に強調できる「Star Shainフィルター」やそれぞれの撮影に特化した専用パッケージ等々、
ユーザーの声を反映させた商品が多く発売されています。
今回の購入時になぜこれほどまでに素早く製品開発を行えるのか?
とても気になってしまい、ついついお伺いしてしまいました。
実はただ単に日本代理店というわけではなく、KANI自体へと資本出資を行っているため、
素早い企画開発及び製造が可能となっているそうです。
またKANIはYoutubeでもフィルターや製品について紹介されています。
こちらでは有名な写真家や先生が登場されることもあるため、
正直、この記事を読むよりも動画をご覧いただいたほうがわかりやすいかもしれません。
私もよく勉強させていただいております。
二メーカー間での互換性について
ちなみになのですが、
ホルダー+角形フィルターという構成はKaniもNiSiも共通です。
じゃあそれぞれのシステムを組み合わせることも可能なのか…?
答えは一応Yes、可能です。
まぁ可能っちゃ可能だけど…なるべくはメーカー統一したほうが良いかもしれません。
一応フィルターとホルダーは互換性ありますが細かな部分で困ることがあるかと思います。
二社で大きく違うのが「遮光用のスポンジの取り付け位置」です。
これはフィルターとホルダー間の隙間を埋めるためのものなのですが、
Kaniの場合これがホルダー側についていますがNiSiの場合にはフィルター毎に取り付けられています。
反対にKaniのフィルターにはスポンジがなく、NiSiのホルダーにはスポンジはありません。
ホルダーとフィルターが同じメーカーであればスポンジの有無が合致するわけなのですが、
この場合に他社同士の製品を組み合わせると大変です。
NiSiのホルダーにKaniのフィルターを取り付けると遮光スポンジがない状態となるため、
撮影時余計な光が入り込み撮影に重大な影響を引き起こします。
逆にKaniのフィルターにNiSiのフィルターを使用すると、
今度は両方にスポンジが入る状態となるためフィルター挿入・交換時に不便感じるかもしれません。
ちなみに私は昨年までKaniのホルダーにNiSiのフィルターを使用していましたが、
スポンジ同士が引っかかりとてもイライラしたのでホルダー側のスポンジを外していました。
最近までこれを忘れていてKaniのフィルターを入れたらゴーストが出まくり何故なんだとすごく焦りました。
一見すると大したことには見えませんが、実はとても重要なものになりますので皆様もご注意ください。
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Kaniの角形フィルターについてみていこう
ここからは今回導入した角形フィルターについて見ていきます。
なお角形フィルター使用するにあたってホルダーは必要不可欠となりますので、
導入の際はご自身が角形を使いたいレンズに合うホルダーをお選びください。
また、SIGMA 14-24㎜ F2.8 DG DN Artは対応サイズが150㎜なのでこれに合わせています。
こちらもレンズ枚に推奨サイズが決まっていますのであったものをお選びください。
今回導入したのは下記の製品です。
・Kani Standard SetⅡ (150㎜)
・Kani CPL Filter 150×150㎜
・Kani StepUp Ring Set
ここからはそれぞれの商品をご紹介します。
Kani Standard SetⅡ (150㎜)
先ずはメインとなるフィルター類。
今回は一番ベーシックなセットを選択しました。
パッケージ内容はこんな感じ。
Premium Soft GND 0.9(150×170㎜)
Premium Reverse GND 0.9(150×170㎜)
ND Flilter ND 64 (150×150㎜)
ND Filter ND 1000(150×150㎜)
比較的使用頻度高い濃度であるND64とND1000に、
恐らく風景においては一番使用頻度が高いであろうハーフNDフィルターのソフトタイプと
更にはなかなか難しそうなハーフNDのリバースタイプの計4枚が入ったセットです。
初めて角形を触るのであればこれを買っておけば問題なさそうです。


まずはNDフィルター。
NDフィルターは丸形同様に減光性能があるフィルターです。
丸形同様、ND64は6段、ND1000は10段の減光性能があります。
この二枚は比較的よく使う濃度なのでセットになっているのは嬉しいですね。
さらにND8やND16辺りを追加すればしばらくは困ることなさそう。


残り二枚は「ハーフ」タイプのNDフィルター。
これは文字通り、フィルター全体の半分の部分にのみ処理を行っているフィルターです。
上の写真を見てみると半分から上方向にだんだんと濃くなっていますね。
ハーフNDとはこの様に半分にのみ効果をもたらす処理を行っているフィルターになります。
これは構図上、明暗差が激しい場合に使用することが多いフィルター、
例えば山頂から山肌に沈む夕日を撮影するときなど山と太陽の間では明暗の差が激しくなります。
この場合、山に露出合わせると白飛びに、
逆に太陽に合わせると山が黒つぶれの状態となるため、
なかなか難しい状況となります。
こんな時がハーフNDの出番。
フィルターの暗い部分で明るいところを覆うようにすれば、
全体を均等に保つことが出来てしまいます。
昨今であればHDR等デジタルでの補正も可能ではありますが、
現像前提でも撮影時からきちんとこだわったほうがよい写真になるのかなと思います。
ちなみに「ソフト」が指すのはグラデーションのかかり具合です。
上のようにだんだんと濃くなっていくものが「ソフト」で、
反対にまるでマジックで書いたかのようにはっきりと明暗が分かれているものを「ハード」と言います。
また今回のセットの中の最後の一枚「リバース」も同ハーフNDの仲間です。
これは中央部がくっきりと濃くなっていて、上に向かうごとにやんわりと消えていくというもの。
花火とか水平線上に沈む夕日とか…そういう場面で出番があるような気もしますが、
私の技術力不足も相まって現状なかなかか用途が見出せません。
こんな具合で基本的なものから一部通なアイテムまでをパッケージにしたのがこのStandard Setです。
とりあえず角形フィルターを使ってみたいんだけどどれを買えばいいかわからないって方はこちらがおススメです。
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Kani CPL Filter 150×150㎜
合わせてC-PLフィルターも導入してみました。
C-PLを正確に表すとサーキュラーPLと言います。
これはレンズに入り込む光のうち、一部の波長を取り除くことが出来るフィルター。
被写体の色をより鮮やかに写すことが可能となります。
実は我々の見ている風景というのは光に大きく影響されています。
このフィルターを使えば余分なものをカットして本当にあるものを見ることが出来るようになります。
開封してみました。
Kaniの150㎜×150㎜のCPLフィルターは、
角形っぽいフレームの中に大きな丸形のフィルターが付いているという少し変わった形状となっています。
そして端っこの部分にはなにやら歯車みたいなものが…
実はこれ、CPLフィルターを回転させるのに使用するものになります。
回転する理由というのはCPLの反射を調整する為、
CPLは角度によってその効果量を調整することが可能です。
超広角レンズにCPLフィルターを取り付けて撮影した場合、
明るいところと暗いところのようなまるでムラのように映る場合があります。
これは偏光ムラと呼ばれている現象、これを避けるためにはPLの効果を調整して撮影する必要があります。
仮にCPLフィルターが角形の場合にはホルダーごと角度をつける必要があるわけなのですが、
この場合だと同時に装着しているフィルター類もその影響を受けてしまいます。
せっかくハーフNDをかけようとセットしたのにムラが出てしまったから角度を変えなくては…
このCPLであればそういったことを避け、ホルダー角度に依存せずにCPLの効果調整が出来るというわけなのです。
う~ん、こりゃ便利ですね。
Kani StepUp Ring Set
ここからは細かなものになりますが簡単にご紹介します。
まずは「Kani StepUp Ring Set」。
これは文字通り、ステップアップリングのセットになります。
角形フィルターでステップアップリング?
とお思いのかたもいらっしゃるかもしれませんが…
要は丸形フィルターレンズに角形ホルダーがつけられるようにするためのアタッチメントセットになります。
登山に出掛ける時は荷物が少ないほうがいいですし、
丸形フィルターでもハーフND等を使いたいときがあるかもしれません。
この製品があれば様々なレンズに合わせてより角形フィルターを使い込むことが可能となります。
なお、今回のパッケージに入ってるものは下記の通りです。
・HT 150 Adapter Ring for 95㎜
・Down Ring 86-95
・Down Ring 82-95
・Down Ring 77-95
とりあえず77-86㎜のフィルター径のレンズであれば、
このセットを買えば角形ホルダーが取り付けられるようになります。
取り付けは簡単で、角形ホルダー裏側に丸形に対応したプレートを取り付け、
その後使いたい径のステップアップリングを取り付けるだけです。
この時に何枚ものステップアップリングを噛ませてしまうとケラレの原因となりますのでご注意ください。
こちらは必須ではありませんがあると便利なものかなと思います。
2021年はKaniのフィルターを使っていきます
Kaniのフィルターを導入してみました。
まだ数回程度しか使用出来ていないのですが色被りや描写に与える影響は全くなく評判通りとてもいい感じです。
この辺りは長期的に見ないとわからない部分が多いので、
しばらくの間はひたすらに使っていきたいと思います。
今後登山にも携行していく予定です。
ということで2021年はKaniのフィルターを使って写真を撮っていきます。