真夏の八ヶ岳をテント背負って縦走してきたお話です。
今回は3日目、高見石小屋を出発して双子池ヒュッテを目指します。
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真夏の八ヶ岳縦走、はじまります!
Day3開始
おはようございます。
時刻は4時ジャスト、三日目行動開始です。
本日は昨日よりも控えめの約10kmの工程を進みます。
行動時間が短いため起床時間は少しゆっくりめ。
しかし3日目ともなるとあれこれ気にならなくなってきますね。
縦走前はこの時期しかも汗だく状態なのにお風呂に3日も入れない状況に耐えられるかどうか不安だったのですが、
髭やら髪のべとつきやら、まるでそれが前から当たり前だったかのように自然と受け入れることが出来ました。
これが人間の持つ順応性というものなのだろうか。
そんなくだらない事を考えながらこの日も無理やりアルファ米をお腹に放り込みます。
アルファ米は尾西食品が一番おいしいです。
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早々に身支度を整えると丁度日の出の時刻。
折角なので再び高見石小屋展望台へと足を運んでみました。
展望台にはすでに多くの人の姿。
しかし残念ながら雲が出てしまい肝心の日の出はイマイチ。
早々にテント場へと戻り撤収準備を進めます。
高見石小屋から麦草ヒュッテ
5時過ぎに片付けが完了、段々と撤収速度が速くなってきました。
忘れ物確認を念入りに済ませいざ出発です。
まずは麦草峠へと向かいます。
麦草峠までの道のりは相変わらずの岩+苔の連続。
昨日の雨でやや滑りやすく苦労しました。
「北八ヶ岳の登山道は南よりもだいぶ荒れているよ…」
なんて話を聞いていましたが、今回はそれを身をもって経験しました。
しかも北に行くほど荒れていきます。
道に文句をいいながらも約一時間ほどで視界が開けてきました。
「麦草峠」に到着です。
ここ麦草峠は長野の諏訪と佐久の境となる峠。
ここを通る国道299号線は日本の国道としては2番目に標高の高いところを走る国道だそうです。
そんな麦草峠近くにあるのが「麦草ヒュッテ」。
この日も朝から暑く、また水の量がやや心配だったため飲み物を購入することにしたのですが、
驚いたのがその値段でした。
国道が近くにある山小屋ということは…そう、飲み物の値段が他の山小屋よりも安いんです。
昨日までの山小屋では500mlの清涼飲料水の値段はほぼ一律で1本400円でしたが、
こちらの麦草ヒュッテだとなんと200円!
それでも下界の値段と比べると高いですが、縦走中の身の私にはとてもお買い得に感じました。
水場の少ない八ヶ岳、麦草ヒュッテは是非とも立ち寄りをおススメします。
まるで山のハッピードリンクショップやわぁ…
麦草峠から茶臼山へ
給水を済ませ次に向かうは「茶臼山」です。
茶臼岳へと向かう際には国道299号線を横断します。
ちなみに北八ヶ岳と南八ヶ岳の境界と言われているのがこの国道299号線。
山を縦走中なのに道路を渡るという不思議な経験をしつつ、
いよいよ北八ヶ岳へと足を踏み入れます。
茶臼山までのルートはとにかく直登。
先が見えているのになかなか進まない…なかなか精神的に堪えます。
そして相変わらず歩きづらい…。
歩くこと約1時間で再び青い空が近くに見えてきました。
あと少しです。
この日も日差しが強く、日焼け止めをがっつり塗って行動しました。
以前使用していたものよりちょっとお高めのものをしようしたのですが、
おかげさまで全く赤くならずとても助かりました。
実は燕岳ではガンガンに焼けて大変だったんですよ…
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「茶臼山(2384m)」に到着しました。
写真のここはピークから少し離れた展望台と呼ばれているところです。
次に向かう縞枯山もそうですが、ピークは見晴らしが悪いせいか別に展望台も用意されていました。
そんな展望台は抜群の眺望でした。
南側を望むと左側に南八ヶ岳の山々、更に奥には南アルプスの山々まで見ることが出来ます。
昨日登頂した山々があんなにも小さく見えるなんて遠くまで来たものです。
そしてこれから進む北を見るとこれから登るであろう山々の姿が。
段々と距離が近くなってきたとはいえ、やはり蓼科山はまだまだ遠いな…。
茶臼山から縞枯山へ
折角登ったのにまた下ります。
南八ヶ岳と違い北八ヶ岳の山は一つ一つが独立している独立峰が多く、
登ったり降りたりの繰り返しでした。
一つ一つの高さはそれほどではないとはいえ、やや疲れます。
何より精神的に来るね。
とはいえ途中にはこんな北八ヶ岳っぽい風景も広がっていたりとテンションは上がります。
木の白と空の青さがとてもきれいでした。
再びの直登を黙々と進むと先に見えてきたのは「縞枯山展望台」への分岐点でした。
実は私の前に高校生らしき超団体が進んでおり、丁度展望台で休憩している最中。
ここは抜いておいたほうがよさそうだということで先を急ぐことにしました。
そんな縞枯山のピークはとってもシンプル。
この看板、ぱっと見普通の行先表示看板ですが…
よく見るとなんと頂上碑ではないですか。
見ていないとスルーしてしまう可能性があるので要注意です。
危ういところでしたが「縞枯山(2403m)」登頂しました。
縞枯山から北横岳へ
縞枯山を下り、「雨池峠分岐点」へとやってきました。
当初、ここから「三ッ岳」へと進み北横岳を目指そうと考えていたのですが、
このルート、岩稜帯かつ急登でなかなか大変らしい。
そのうえ縦走三日目で疲労感もありかつ装備もそこそこの重さ…
大事をとって今回はスルーすることにしました。
正直この日はあまり歩く気力がなく早めに休みたかったんです。
ここから一路ロープウェイ方面に進み坪庭経由で北横岳を目指します。
途中、可愛らしい建物が見えてきました。
こちらは「縞枯山荘」です。
丁度縞枯山のバッヂが欲しいなぁと思っていたので寄ってみたのですが、
残念ながら売り切れ。
とはいえ、周りも静かでとてものんびりできそうな山小屋でした。
ここから先は再び木道が続く道を進みます。
段々と登山から観光地っぽい雰囲気になってきました。
北横岳へと進むべく「坪庭」へ。
遠くを見ると北横岳ロープウェイの駅がありました。
久々に現代的な建物の姿が目に入ります。
あれに乗ればあっという間に下山できるのか…
一瞬心揺れ動きましたが、思いとどまり再び北横岳へと足を進めます。
しかしこの「坪庭」というところは不思議です。
北八ヶ岳といえばこちらが有名ですが一体何が良い…(ry
ハイキングなら霧ヶ峰とかのほうがよさそうな気がするなんて思ったりしたりしなかったり。
丁度半周位したところで登山道看板が出てきました。
さあ北横岳はまだまだ先、頑張りましょう。
北横岳までのルートも相変わらず北八ヶ岳感満載の登山道。
歩き慣れぬ方はちょっと大変かもしれません。
頂上まで残り10分のところで「北横岳ヒュッテ」に到着です。
ネットでよく見るこの建物を実際に目に出来て少し興奮しました。
看板のフォントが超可愛い。
ここまで来れば山頂まではあと一息です。
そして北横岳南峰に到着。
北横岳は南峰と北峰からなる山。
標高は北峰のほうが高いので寄るのを忘れずに。
南側には今日までに登ってきた山々とその行程を見ることが出来ます。
ある程度楽しんだら北峰へと向かいます。
南峰から北峰までは約5分程度の距離です。
「北横岳(2480m)」登頂。
あまり人の気配がなかった北八ヶ岳でしたがこの頂上は多くの人で賑わっていました。
そんな北横岳から北を見ると…
ゴールである「蓼科山」の姿をくっきりと見ることが出来ました。
一昨日はまるでプッチンプリンくらいの大きさだった山が今目の前にドーンと鎮座しています。
ついにここまで来たのか…早くもグッとくるものがありましたが、ここはこらえます。
ここから大岳経由で双子池ヒュッテに進むことも可能ですが、
大岳も三ッ岳同様、あまり進みやすいルートではないそう。
今回はスルーすることにしました。
北横岳から双子池ヒュッテ
賑わう北横岳を背に蓼科山方面へと下ります。
しかしここからの下りはとにかく荒れていること荒れていること…
登山道というよりも本来の山を下っているような感覚でした。
初めての方や経験浅の方にはおススメできません。
逆に登ってこられる方も数名いらっしゃいましたが正直大変そうでした。
約一時間で水がきれいな「亀甲池」に到着。
とても涼しげな風景が広がっていました。
亀甲池から双子池ヒュッテまで行くには「天狗の奥庭」というところを進まなくてはなりません。
ここはちょっとした山みたいな感じになっていて登って降りるをしなければならないのですが、
まさに北八ヶ岳感満載でとにかく道が悪いです。
さらに以前の大雨の影響なのか、登山道もかなり自然の姿に戻りつつある状態でした。
暗い中進まなければならない方などご注意ください。
双子池ヒュッテ到着
間もなくヒュッテに着くかなというところで再び池が現れました。
が、何やら様子がおかしなことになっています。
キャンプ指定地の看板があるけど水に浸かってる…?
とりあえずヒュッテに受付をしに向かいます。
看板から歩くこと約5分で「双子池ヒュッテ」に到着しました。
早速受付へと向かうと誰もいらっしゃいません。
周りを探していると突然「ワン!ワン!」と小屋の中から吠え始め、
その声を聴いた小屋番さんが慌ててきてくださいました。
どうやらワンちゃんも小屋番さんだったよう。
かわええ…
ちなみに双子池ヒュッテには二匹のワンちゃんがいました。
どちらのワンちゃんもとてもおとなしくそして人懐っこくて可愛かったです。
テント場について聞いてみるとどうやら先ほどの「雌池」の周りが指定地となっているそう。
その周りに開拓されているスペースが点在しておりその中から好きな場所を選んで張っていいとのことでした。
なるほど。
「双子池」という名前の通りここには二つの池があります。
こちらはヒュッテ近くにある「雄池」。
こちらは飲料水の貯水池とのことで看板も厳しめです。
そして最初に登場したのが「雌池」。
こちらの周囲がテント泊指定地となっています。
周りをよく見るとこのように人為的に作ったスペースが幾つかありました。
なるほど、ここがテント場ということですね。
一つ一つは独立しており、意外とのんびりできそうな雰囲気です。
ということ私も設置。
身軽になったので大岳に登ろうかな?とも思いましたが、
折角静かなテント場に来たのでのんびりすることにしました。
そして本日の行程も無事に終了しました。
時折聞こえてくる鳥のさえずりに耳を傾けたりしながらテントの中でダラダラ過ごします。
昨日の高見石小屋とは打って変わってほとんど人の往来も気配もありません。
山でのんびりテント泊したい場合にはおススメなテント場です。
テントから顔を出すとすぐに見えるは池。
今までのテント泊ではなかったこの光景にややテンションが上がります。
ちなみにこちらの双子池ヒュッテの飲料水ですが、テント泊の人は無料です。
水道は山小屋の目の前にありここから自由に汲むことが可能です。
ただし水道から出てくるのはというと…先ほど飲料水の貯水池と書いてあった「雄池」の水。
つまりこの池の水を引いて水道から出しているというなかなかワイルドな水場なのです。
以前はもっとワイルドで直接池の水を汲んでいたとか…。
小屋番さん曰く一応飲料可能とのことでしたが、
最近は雨も降ったばかりなので念のため煮沸をおススメします、とのことでした。
私は2度煮沸したうえで食事などに使用しましたが特に体調に変化はありませんでしたが、
気になる方は山小屋でミネラルウォーターを購入されることをおススメします。
(夕方に買いに行ったらすでに売り切れだったので早めのほうがよさそうです。)
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気になる方はこういったろ過装置があるといいかもしれません。
エキノコックス対策に北海道へ行くときに買おうと思っていましたが、
本州でもあればあったで使えそうなので私も購入しておこうと思います。
水がないならビールを飲めばいいじゃない。
ということで早々にビールへと切り替え。
銘柄はキリンラガービールでした(350ml…500円)。
このほかに珍しくハートランドビールもあのビンの姿で売っていました。
小屋まで距離が少しあるのでちょっと大変、
また携帯電話の電波が小屋周辺の一部しか入らないのと、
水場がワイルドな点を除けばかなり良い感じのテント場かと思います。
酔っぱらって池に落ちないように気をつけないと。
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テントでダラダラしていたらあっという間に夕方になってしまいました。
明日はいよいよ最終日。
果たして無事八ヶ岳縦走となるのでしょうか?
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