度重なる散財の結果、おかげさまである程度満足できるところまで整えることが出来た私のカメラシステム。
風景写真を撮るに関してはほぼこのシステムでこなすことができるのですが、問題なのが物撮りの時。
私のよく使うレンズだとあまり寄れなくて物を大きく撮りたいってときに対応できなかったんですよね。
そこで気になるのが「マクロレンズ」。
丁度お連れ様が一本持っていたので試しに借りてみたのですが…いろいろと勉強になりました。
- 現在のシステム構成
- 小さなものをもっと大きく近づいて撮りたい!
- AF MICRO NIKKOR 60㎜ f2.8Dを借りてみました
- 最大撮影倍率ってなんだろう?
- 最大撮影倍率について考えよう
- マクロレンズで撮ればなんでもそれっぽく見えるよ
- あれ?AF MICRO NIKKOR 60㎜ f2.8Dの話は…?
- レンズの紹介するつもりがマクロについて勉強してしまった
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現在のシステム構成
大変です、もう12月ですよ。
いやはや相変わらず一年ってあっという間ですね。
そんな2018年も思い返せば相変わらず散財の嵐でしたが、そのお陰でカメラシステムについては自分の理想的なところまで持っていくことが出来ました。
来年は今年ほどの出費もない…はずです。
ということで現在の手持ちレンズはこちら。
NIKONに移行して約2年ちょっとですがおかげさまでここまで成長することができました。
現在は超広角域は非純正とはい15~200㎜までF2.8で通すことが出来てしまう始末です。
昔はNIKON純正大三元買えるなんてどこのブルジョアだよ?とか思っていましたが…沼と勢いとは怖いものです。
最近ではあまりレンズを調べることもなくなりようやくレンズ沼から脱出できたようす。
物は良いものが揃ってるのであとは技術力を上げるべく精進に励もうと思う次第です。
(↑毎年言ってる。)
小さなものをもっと大きく近づいて撮りたい!
現在の構成でもちろんいろんなシチュエーションにも対応できるようになっていますが唯一弱いものがありました。
それは「接写」です。
それを特に痛感するのが室内での「物撮り」の時でした。
物撮りっていうのは商品の写真を室内で撮影しすること。
私の場合、このへっぽこブログにて商品を紹介する際などに撮影した写真を掲載しています。
以前までは机の上に無造作に置いて撮影した写真を掲載していたのですが、
最近ではその商品を検索したうえで遊びに来て下さる方が多くなったため、これでは恥ずかしいぞ…と思うようになりました。
まぁ文章も恥ずかしいので気にしてたらきりがありませんけどね。
そんな物撮りを克服すべく始めに「撮影ブース」を購入し、その後「スピードライト」を購入しました。
この二つを導入したおかげで私の物撮りレベルも多少上がったような気がします。
そんな物撮りの時に一番よく使っているレンズが「AF-S NIKKOR 24-70㎜ f/2.8E ED VR」という標準レンズです。
狭い作業部屋の場合、画角を切り替えられる標準域のズームレンズの使い勝手が良いのでこれをよく利用しています。
画角に関しては非常に使い勝手のよいこのレンズですが、気になるのは接写能力。
このレンズ、モノに寄るのがあまり得意なレンズではないんですよね。
被写体にピントを合わせることが出来る最短の距離のことを「最短撮影距離」といいます。
この数値が小さければ小さいほど被写体に近づいた場合でもピントを合わせることが出来るようになります。
ちなみに勘違いしやすいですが、最短撮影距離はレンズと被写体の距離ではありません。
実は最短撮影距離の基準点はこの白いマーク。
このような距離基準マークを基準から被写体までの距離のことを最短撮影距離と呼びますので注意してくださいね。
逆にレンズと被写体の距離のことを「ワーキングディスタンス」と言います。
どちらもよく耳にする言葉なので覚えておくとためになるかも。
ちなみに「AF-S NIKKOR 24-70㎜ f/2.8E ED VR」の最短撮影距離はというと、焦点距離24㎜、28㎜、70㎜で広0.41m、焦点距離35㎜から50㎜までは0.38mとなっています。
つまり最短となる画角35㎜・50㎜を選んでも被写体に0.38m、つまり38㎝までしか寄ることができないんです。
これが地味に不便なんですよね…。
そんなときに便利なのがマクロレンズです。
マクロレンズはフォーカスレンズの前後移動量が通常のレンズよりも多くなっています。
そのため被写体と接していてもピントを合わせることが出来るようになっているんですね。
またマクロレンズは一般的なレンズと違い「撮影倍率」が高いため、被写体をより大きく映すことが出来ます。
前々からマクロレンズを一度使ってみたいとは思っていましたが、やはり物撮り専用レンズを導入するのはコストがかさむ。
何かいい手はないかなと思っていた時に私のお連れ様(NIKON Df使い)が持っていたことを思い出したので借りてみることにしました。
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AF MICRO NIKKOR 60㎜ f2.8Dを借りてみました
改めて今回借りてきたレンズは「AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D」です。
レンズの性能を簡単に書くとこんな感じです。
焦点距離 | 60㎜ |
---|---|
レンズ構成 | 7群8枚 |
最短撮影距離 | 0.219m |
最大撮影倍率 | 1.00倍 |
最大絞り | f/2.8 |
ちなみに表記は「マクロ」ですがNIKONでの呼び名は「マイクロ」となっています。
これはマクロ写真の定義は「原寸大以上の倍率で撮影する写真」となっているのに対し、
カメラのマクロレンズは「等倍_(1:1)」や「1/2倍(1:0.5)」などの縮小した光学であることからNIKONではこれは厳密にはマクロではない!ということでマイクロとしているのだそうです。
マクロレンズという言葉が普及しているわけでどう考えてもこちらを使ったほうがわかりやすいですが、あえて厳密なマイクロを使い続けるとはさすがNIKON。
こんな技術者のこだわりを通してしまうそんな仕事にこだわりのあるNIKON、好きです。
今回借りたレンズは「D型」のレンズ。
発売は古くなんと1993年の12月4日と約25年前!
赤ちゃんだった子が成人したと思ったら大学卒業して就職してるではないですか…。
なにより驚きなのがいまだに新品で手に入れることが出来てしまうんです。
ちなみにその15年後である2008年には「G型」の同等レンズ「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」が発売となっています。
光学性能等を重視するのであればこちらもおススメです。
お連れ様がこれを選んだ理由はとても単純で「Dfのデザインに合うから!」だそうです。
そっかぁ…
単焦点レンズではありますが円筒は伸び縮します。
これはピントを広範囲に合わせるため。
これにより最短撮影距離の短さも実現できているというわけです。
25年前のレンズとはいえもちろん現代のカメラにて使用することが可能です。
私のNIKON D850やお連れ様のNIKON Dfはもちろん、FtoZマウントアダプターを使えば最近発売となったミラーレス一眼NIKON Z6/Z7でも使えます。
でもあのマウントアダプターつけるとめっちゃかっこ悪いんですよね…
G型以前のNIKKORレンズにはこの「絞り環」と呼ばれる絞りリングが装備されています。
G型以前のカメラは絞りをレンズ側で操作するようになっていたため、このレンズにはこのような絞りを調節するダイヤルが用意されています。
NIKON Fマウントの歴史は大変古く説明してたら年が明けてしまいそうなのでここでは止めておきます。
気になる方はWikiを見てみると面白いかもしれませんよ。
なおG型レンズを現在の一眼レフで使う場合にはこの絞り環の数値を一番大きくしておかないと使用することが出来ません。
最大位置以外の場所にある場合、絞り値が「F.EE」という異常表示となりシャッターが切れないのでご注意ください。
誤動作防止のためなのかロック機構も用意されているのでこれを利用することをおススメします。
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最大撮影倍率ってなんだろう?
まずは使ってみました
ということでお借りしたマクロレンズを使ってみました。
まずはいつもブログ記事作成に協力してくれるこの子を撮ってみます。
マクロでない「AF-S NIKKOR 24-70㎜ f/2.8E ED VR」だと最短撮影距離で撮影してもこのくらいでしたが…
なんとびっくり!
「AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D」だとこんなに大きく映すことが出来るではありませんか!
…ってか意外と汚いな。
やはりマクロレンズは近づいて大きく撮ることが出来るレンズでした!
最大撮影倍率について考えよう
でも一体なぜマクロレンズって被写体を大きく撮影することが出来るんでしょう?
皆さんはお分かりになりますか?
「そりゃ最短撮影距離が短く被写体に寄れるからでしょ!」
と、お思いの方は半分正解です。
正しくは、最短撮影距離が短くかつ最大撮影倍率が大きいからなんです。
最短撮影距離は上にも書いた通りピントがある被写体との最短の距離という意味でしたね。
では最大撮影倍率とは何でしょうか?
レンズはガリバートンネル
実はマクロレンズ以外のレンズの場合、入ってくる絵とレンズを通して出てくる絵は大きさが異なるってご存知ですか?
大体の場合、絵は小さく縮小されてセンサに記録されます。
入る絵は通常サイズなのに出てくる絵は小さくなっている…
これってなんだかドラえもんの道具の「ガリバートンネル」って道具と似てますね。
ガリバートンネルとは、大小異なる入り口を持つトンネルのこと。
デカいほうは人間が入れるくらいの大きさなのですが小さいほうは小人サイズの大きさです。
片方から入るとあら不思議、もう片方のトンネルのサイズとなって出てくるというスモールライトのトンネル版みたいな道具なんです。
まずレンズを通る前の被写体、これは人の頭から足までを映したとしましょう。
するとレンズを通りセンサに同じように記録されます。
ただし大きなサイズであるフルサイズでもその大きさは36mm×24mmです。
ここに先ほど撮影した人をそのままの大きさで記録すると頭から足までを入れることができないですよね?
そうするとどうすればよいのでしょうか?
答えは簡単です、小さくしちゃえばいいのです。
つまり記録する側が小さくなったのであれば絵も小さくしちゃえばそのまま映すことが出来るというわけです。
例えるなら我々が東部ワールドスクウェアにあるミニチュアの中で生活したい!と思うのであればガリバートンネルを使って小さくなっちゃえば生活できるわけです。
そうすれば周りと同サイズなので楽しく暮らせますよね。
カメラ内でもレンズがガリバートンネルの代わりとなりセンサにレンズに写ったままの状態で記録させようと同じようなことを行っているというわけなのです。
そのままのサイズで記録したいときもある!
皆さん小さくなったらやってみたいことっていろいろありますよね?
その中でも自分の好きな食べ物はそのままに小さくなった姿で思う存分食べたい!っていうのは誰しも一度は夢見るはずです。
私も小さくなったら巨大な大福にかぶりつきたいと何度も思ったことがありました。
これって逆に言うと自分が欲しいものだけそのままの大きさを維持したいってことになりますよね。
要はガリバートンネルを通さなければいいわけです。
写真の場合も同じようなことがあります。
小さなお花などそのままの大きさで撮影できれば丁度いい感じになる…てあれ?これって…。
そう、まさにマクロレンズを使用したい時に思うことと全く同じではありませんか。
つまりマクロレンズとは記録する際に小さくせずそのままのサイズで写すことが出来るレンズなのです。
このセンサに移るときの倍率のことを最大撮影倍率というわけなのです。
最大撮影倍率を表す数字
通常のレンズの場合レンズを通る前の絵を1とすると、標準レンズの場合0.28倍、広角レンズだと0.19倍、望遠レンズだと0.11倍くらいになります。
つまり1cmの被写体を0.28倍となる標準レンズをつけてフルサイズカメラで撮影した場合、36mm×24mmセンサの上に被写体は0.28cmのサイズで記録されることになるわけです。
最大撮影倍率を表すときに使われる数字1:○○という数字はこれを表しています。
ではマクロレンズの最大撮影倍率はというと、通常のマクロレンズであれば1:1、つまり縮小無しのそのままサイズです。
これが1:0.5のマクロレンズなどはハーフマクロレンズと呼ばれたりしてます。
この数字から見ても上のようなレンズと比べてもかなり数値が大きいことがわかるかと思います。
このことからマクロレンズは被写体を縮小しない=被写体を大きく写すことが出来ると言えるというわけなのです。
…どうでしょうか?最大撮影倍率について私なりに説明してみましたがなんとなくでも伝わればうれしいです。
マクロレンズで撮ればなんでもそれっぽく見えるよ
マクロについてなんとなく理解できた私。
あとはいろいろと撮影して更にこのレンズについて調べてみました。
なんてかっこいいこと言ってますがただ撮影して遊んでいるだけです。
まずはレンズ刻印を撮影。
うーん、この立体感はかっこいいですね!
マクロレンズといえばやはりメカメカしいものを撮ってみたくなりますよね。
例えば機械式腕時計。
誰しも一度は雑誌の広告のように撮影してみたい!と思うのではないでしょうか?
またそれ以外にも古いカメラなどもメカメカしくて撮りごたえがあります。
とはいえ我が家に古いカメラはなかったのですが丁度その時お連れ様よりNIKON Dfをお借りしてましたのでこちらを撮ってみました。
オールドスタイルの操作ダイヤルを何気なく撮るだけでも何となく絵になります。
あまり構図などを意識せずとも小さなものを大きく撮ることが出来るというインパクトのほうが勝るので変に見えないのかなと私は思いました。
ともあれマクロがあれば室内でもかなりあれこれ考えながら撮影できるのに間違いなさそうです。
あまり外に出られない時などこのレンズで練習してみるのもよさそうですね。
寄れれば被写体に困ることもなさそう。
マクロと言っても意識しなければ普通の単焦点レンズです。
外へ連れ出して他のレンズの様に風景撮影もこなすことが可能です。
ただ寄れてその気になれば物を大きく映すことが出来る…
なんだかすごく万能なレンズに聞こえてきましたね。
でも実際にそうなんですよね。
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あれ?AF MICRO NIKKOR 60㎜ f2.8Dの話は…?
ということで今回はマクロレンズについて…っていけない、このレンズについての感想などを書いていませんでした!
いかんせん初めてのマクロレンズだったのでそのレンズについて調べる時間のほうが多くなってしまいました。
写りに関しては現代のレンズに比べても見劣りするようなことはないかと思います。
AFピント合掌速度は決して遅くはありませんが早くもありません。
静物であれば問題もないかと思いますが昆虫など動きの早いものを撮りたい方だとちょっと厳しいのかなと感じました。
その場合は次世代型のG型のほうが早いのかもしれませんがどうなんだろう…
一度触ってみることをおススメします。
操作に関しては特に問題なく利用することができました。
絞り環など最近のレンズにはないものもついていますがそこまで気にする必要はないかとおもいます。
むしろ私のお連れ様の様にデザインとして受け入れちゃえば結構気に入るかもしれません。
このレンズの一番のおすすめポイントは値段です。
新品の値段もそこまで高くはありませんがおススメなのが中古。
マップカメラさんの場合、一番安くて3万円台でこのレンズを購入することが出来てしまうんです。
とりあえずマクロレンズがどういうものなのか使ってみたいなんて方にはうってつけの一本ではないかなと私は思います。
おすすめです。
レンズの紹介するつもりがマクロについて勉強してしまった
実はこの記事、土曜日の午前中に仕上げるつもりでいたんです。
午後から写真でも撮りに行こうかな!と思っていたのに気が付いたらマクロレンズ調べてたら土曜日終わっちゃいました。
とはいえ今までなんとなく理解していたことを自分なりに考えて答えを出すことができたのでまぁよかったのかな…?
明日はこのレンズと一緒に写真撮りに出かけたいですね。
お値段も安くて写りも良好、物撮りされる方でマクロに手を出してみたい方にはおススメの一本です。