- 今回の工程
- 【Day1】
- 日本三大急登に挑む
- 竹宇駒ケ嶽神社で安全祈願
- とにかく暑い…樹林帯をひたすら進め
- 笹の平分岐点着、減らない山頂までの時間
- 刃渡りなんて怖くない
- 甲斐駒ヶ岳が本性を発揮
- 刀利天狗(とうりてんぐ)到着
- ようやくの七丈小屋
- いよいよ山頂へ
- 八合目ご来光場過ぎからが本番
- 姿を現す南アルプスの山々
- 【Day2】
- テントを開けたら広がる絶景
- 下山開始
- 下りでまさかの落下
- お疲れさまでした
- 折角黒戸尾根登るんだったら泊りがおススメ
スポンサードリンク
こんにちはickwです。
前回の鳳凰三山縦走から約2週間後…
地蔵岳山頂から見たあの勇ましい姿が忘れられず…覚悟を決めてついに登ることにしました!
挑む山とはそう、あの南アルプスの名峰「甲斐駒ヶ岳」です。
今回は日本三大急登の一つである黒戸尾根ルートを1泊2日の工程で進みます。
今年の夏は甲斐駒ヶ岳に挑戦!という方へ少しでも参考になれば幸いです!
今回の工程
【黒戸尾根ルート(Day1&2)】
2018/06/02-03
天気:晴れ
単独登山
テント泊装備
(Day1)
尾白川渓谷駐車場
↓
竹宇駒ケ嶽神社
↓
笹の平分岐点
↓
刃渡り
↓
刀利天狗
↓
七丈小屋(幕営地)
↓
八合目ご来光場
↓
甲斐駒ヶ岳山頂
↓
七丈小屋(テント泊)
(Day2)
七丈小屋
↓
刀利天狗
↓
刃渡り
↓
笹の平分岐点
↓
竹宇駒ケ嶽神社
↓
尾白川渓谷駐車場
(Day1)
www.movescount.com
(Day2)
www.movescount.com
【Day1】
日本三大急登に挑む


ということで山梨県甲州市の尾白川渓谷へとやってきました。
今回はこちらから「黒戸尾根」ルートを進み甲斐駒ヶ岳に挑戦します。
このルートは日本三大急登の一つと呼ばれており、その高低差はなんと2200m!
今回は途中にある七丈小屋にてテント泊をし1泊2日の工程で進みます。
有名な謎の木像に挨拶していざ出発。
登山届もしっかり提出しましょう!
途中までは真っ白い砂浜のある山でおなじみの「日向山」と同じルートを進みます。
今年の4月に登った時には憧れだった甲斐駒ヶ岳に挑戦しているとは…感慨深いですね。
ってまだ始まったばかりなのに感傷に浸っててこれから大丈夫かおい?
竹宇駒ケ嶽神社で安全祈願


しばらく進むと見えてくるのが「竹宇駒ケ嶽神社」です。
甲斐駒ヶ岳神社という名称でも呼ばれているこちらですが、
どうやら地元の方には竹宇駒ケ嶽神社と呼ばれているようです。
こちらの神社の本宮がこれから挑む甲斐駒ヶ岳山頂にあるそう。
まずは道中の安全祈願すべくお参りです。
しかしお賽銭箱に描かれたこのロゴがめっちゃかっこいい…!
境内左方向に見える橋が進むべきルート。
南アルプスの綺麗な水流れる川を渡り先へと進みます。
とにかく暑い…樹林帯をひたすら進め
尾白川渓谷周遊ルートを進むこと数分で分かれ道に到着です。
いよいよ本格的な登山の始まりです。
スタート地点である尾白川渓谷の標高は約800mとかなり低め。
ぶっちゃけ平地とほとんど変わりません。
となるとこの時期はそう…とっても暑い!
またこの日は雨上がりということもあり大変蒸し暑かったです。
今までの登山で一番汗をかいたと思います。
さすがは山岳信仰の山、道中にはこのようは祠などがたくさんあります。
笹の平分岐点着、減らない山頂までの時間
出発から約1時間半で「笹の平分岐点」に到着しました。
ここから山頂までの時間は…7時間。
既に1時間半登ってきたのにこの時間っておかしくない?
台湾往復できる時間をかけて山頂を目指します。
な、長い…
しばらくは歩きやすい道が続きます。
…が、微妙に急なところが出てきたりするので油断しちゃだめですよ。
刃渡りなんて怖くない
樹林帯を進むこと約3時間、急に視界が開けます。
そして現れるのがそう、甲斐駒名物「刃渡り」です。
まるで刃のような切り立つ岩の上を進むことからこう呼ばれたそうです。
想像では足場が不安定かつ高度感があるのかと思いきや、
思ったよりも安定した足場でした。
気持ちながらも鎖が用意されていたりするので、
落ち着いて通れば特に問題ないかと思います。
甲斐駒ヶ岳が本性を発揮
刃渡りを通過すると登山道の様子は一変します。
まず最初に登場するのは階段コーナーです。
崖の上に設置されており、足元はこんな感じ。
超エキサイティンッ!!
設置された鎖も使用しつつ上へと進んでいきます。
刀利天狗(とうりてんぐ)到着
必死に登ること数十分で「刀利天狗」に到着しました。
ちいさな社が二社ほどあり、こちらも祭られているようです。
しかし聞いてはいましたが本当に信仰の色が強い山ですね。
登っていてなんだか不思議な気持ちになってきます。
しばらく進むと見えてくるのがこの地獄の階段。
かなり急な階段がこれでもか!というくらい続きます。
登りきると今度は岩場ゾーン。
ロープを拝借していそいそと進みます。
この橋が見えてきたら七丈小屋まであと一息です。
まぁそのあと一息がなかなか大変な訳なのですが…。
この辺りからやや危険な箇所がちらほら見えてきます。
疲れも出てくるころなので焦らず気を抜かず冷静に進みましょう。
ようやくの七丈小屋
すれ違う方に「小屋まであと少しだよ!」と教えていただいたのですがなかなかつきません。
少しってどれくらいだよ…なんて愚痴ってるとなにやら人工建造物の姿が。
折角教えてくださったのに悪態ついてごめんなさい。


尾白川渓谷駐車場をスタートして約5時間半でようやく本日の幕営地「七丈小屋」に到着しました。
つ、つかれた…
小屋は今まで見たことのないなんというかある意味アーバンな装いでした。
入り口付近にあるピンポンを押すと中から小屋番さんが出てきてくださいます。
ここでテントの受付を済ませました。
幕営料金は一人600円です。
また意外とメニューが豊富だったのも印象的でした。
っておいペヤングが売ってるぞ!山で出会ったのは初めてです。
お湯は一体どう処理をするんだろうか…?


ひとまずテント場を目指します。
ここ七丈小屋のテント場は小屋からかなり離れていて約5分程度歩かなくてはなりません。
途中トイレや第二七丈小屋を通過し、その裏にある道をひたすら進みます。
夜とかトイレ行きたくなった時はちょっと怖いかもしれません。
そしてようやくテント場である甲斐駒ヶ岳七合目に到着しました。
重い荷物をおろしテントを張ります。
私が張り終えた後やってきた方はあまりの疲れから
「は、はははっ!疲れたっ!最後がっ…はははは…っ!」と笑いながら涙を流していました。
大の大人の精神を乱す甲斐駒ヶ岳やべぇ…。
しばらく休憩されて正気を取り戻されていたのでよかったです。
いよいよ山頂へ
休憩を済ませいよいよ山頂へと進みます。
ちなみにここから山頂までのコースタイムはなんと2時間半!
一体どうなってるんだこの山は…
6月初めの段階でこの程度の残雪具合でしたので、
今は完全に溶け切っているかと思います。
七丈小屋を出てからしばらくは特別危険個所もなく進むことができました。
八合目ご来光場過ぎからが本番
一時間程度進むと「八合目ご来光場」に到着です。
ここから山頂が見え…ってなんか白くない?
これはまさか登頂してもお天気最悪なパターンでは…?
不安感じながらもとにかく先へと進みます。


この辺りから再び甲斐駒ヶ岳が急登っぷりを発揮し始めます。
途中何度か鎖場や岩場が登場。
特別危険というわけではありませんが、疲れが出ていると思いますので気を引き締めて登ってください。
先へ進むにつれ周りはどんどん白くなっていきます。
とにかく山頂を目指そう…。
このあたりからだいぶバテてしまいかなりペースダウンしてしまいました。
あと一息がんばれ、私。
そしてついに…
「甲斐駒ヶ岳(2966m)」登頂しました!
やった!あの黒戸尾根を制したぞっ!
2200m上がりきったんだ!
景色は見えませんがとにかく達成感で一杯でした。
まずは朝安全祈願をした竹宇駒ケ嶽神社の本宮にご挨拶。
わらじがたくさんありなんだか不思議な雰囲気です。
真っ白のなかしばらくぼーっとしていると同じテント場にテントを張られていた方が山頂にいらっしゃいました。
登頂を称えつつ会話をしながら晴れないですかねー?なんて言っていた、その時です。
一瞬の晴れ間から「鋸岳」が姿を現しました。
難ルートばかりで有名なこの山、その形からも難易度の高さがうかがえました。
ここで先ほどの方は先に下山され、山頂にはまた私一人に。
せめて先日登った鳳凰三山だけでも見れないものか…と思い粘り続けます。
頼むっ!晴れてくれっ!
姿を現す南アルプスの山々
そんな私の祈りが通じたのか…まずは「北岳」方面の雲が消えて青空が広がり始めました!
やばい今年の運つかっちゃった!?っていうくらい急に晴れてかなり驚きました。
続いて「仙丈ケ岳」方面の雲もなくなっていきます。
初めて目にする仙丈ケ岳、ぽっこりへこんだ部分が特徴的です。
しばらくは三脚を立てて撮影しつつその風景を堪能しました。
思いのほか長居してしまい慌てて下山を開始します。
いやはや…下山もまた時間がかかるのです。
とはいえ黒戸尾根を制した&お天気回復という喜ばしい出来事が立て続けに起こったので、
とにかく大満足での下山となりました。
そんな時に姿を現したのが…
ついに見えました「鳳凰三山」です!
しかもこの甲斐駒ヶ岳を象徴とする刀のこの場所で拝むことが出来るなんて…
前回登頂した地蔵岳・観音岳・薬師岳の姿もはっきりと拝むことが出来ました!
数週間前の自分は向こうからこの山を見ていて、今は逆にこちらから向こうを見ているのか…
何とも言えぬ感動を覚えながらカメラのシャッターを切ります。
もうとにかく大満足です!
そして無事にテント場に到着。
出発時よりもだいぶテントの数も多くなっていました。
私も食事を食べないと。
っとその前に…
祝杯を挙げるべく小屋でビールを購入です。
うーん!たまらん!
この後は夕日を見つつ、山頂で知り合った方とお話などしながらのんびりと過ごしました。
夜は星を撮りたい!と思いましたがこの日はあいにくの満月。
逆に潔く諦めることができたのでぐっすりと眠ることが出来ました。
おやすみなさい…Zzz…
【Day2】
テントを開けたら広がる絶景
そして翌日、おはようございます!
やや寝坊してしまいましたがテントを開けるとこの絶景…
七丈小屋までの道のりは決して楽ではありませんでしたが、
この時ばかりはホントにテントかついできてよかった!と感じずにはいられませんでした。
この日は再びの登頂は諦めテント場でのんびり過ごすことにしました。
シュラフからも出たくなかったのでこんな感じでやや横着しながらシャッターを切ります。
とはいえそれでもこんな絶景を拝むことができました。
下界に広がる雲海と聳える山々。
何とも素晴らしい風景に見とれてしまいました。
丁度昨日涙を流されていた方とお会いすることが出来少しお話をすることに。
なんと昨日山頂アタックし下山してテントに16時頃戻られてからずっと眠っていたそう!
それくらい疲れますよね…お疲れさまでした!
昨日あまり見られなかった八ヶ岳方面もこのようにばっちり。
いやはやどこを見ても絶景の連続です。
本当に素晴らしい朝でした!
七丈小屋のテント場、おススメです。
素敵な景色を十分に堪能した後、食事を済ませ下山準備を始めます。
下山開始
絶景に時間を取られてしまいましたが撤収準備完了です。
名残惜しいですが下山を開始します。
折角なので七丈小屋オリジナルステッカーを数枚購入してみました。
ここでしか買えません!って言われちゃうと買っちゃうよね…。
三脚に張ろうかな?
下りでまさかの落下
青空の下、下界目指して進みます。
気持ちのよい天気です!
…とここで思わぬトラブル。
岩場を下っているとき、足場の選択を誤りそのまま滑り落ちてしまいました。
幸い近くの岩に体を打ち付けて止まることができましたが、
もしもこの岩がなければそのまま下まで落ちていたかもしれません。
下りは気が緩みがちですが気を引き締めなければなりません。
幸い腰の左側を打ち付けた程度で済んだのが幸いでしたが精神的にかなりやられました。
帰りはとても早く降りることができ、あっという間に刃渡りまでやってきました。
この解放感と遠く見える八ヶ岳の姿。
気持ちいい!
その後「笹の平分岐点」を通過し…
橋を渡るといよいよもうすぐゴールです!
竹宇駒ケ嶽神社にて無事下山出来た御礼をすべくお参りをします。
見守りくださりありがとうございました!
お疲れさまでした
そしてついにスタート地点である尾白川渓谷駐車場に到着!
ちなみに下りはとてもサクサク進むことができ、なんと3時間半程度で下山出来ました。
お疲れさまでした!
折角黒戸尾根登るんだったら泊りがおススメ
ということでついに甲斐駒ヶ岳に登頂することが出来ました!
さらに日本三大急登である黒戸尾根をテント泊装備で制覇することが出来たということで、
少し自信をつけることが出来ました。
黒戸尾根は言われる通りの急登ではありましたが難易度は低めだったように感じます。
とはいえ階段や岩場に鎖場と気を抜けぬ箇所がいくつかありますので、下調べなどしっかりした上で挑戦なさってくださいね。
また、日程に余裕があれば七丈小屋でのテント泊がおススメです。
テントを明けたらそこには絶景が広がっているこの喜びをぜひ皆様にも体験していただきたいです!
きつい黒戸尾根だからこそ、あえてテントを担いでのんびり行くのもひとつの手ではないでしょうか?
とても疲れましたが、とても達成感を味わうことが出来た山行でした!

- 作者: 昭文社地図編集部
- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 2018/02/27
- メディア: 地図
- この商品を含むブログを見る