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登山やカメラなどなど

【登山】ついに南アデビュー!鳳凰三山テン泊縦走記(Day2)

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前回の続きです。
南アルプス鳳凰三山を制覇すべく、青木鉱泉からドンドコ沢ルートで一路鳳凰小屋を目指した私。
無事に到着しテントを設営、その後地蔵岳に登り南アルプスの絶景を満喫したのでした。
今回は2日目の行程を振り返ってみたいと思います。

www.for-toru.com


今回の工程

【ドンドコ沢ルート(Day2)】

2018/5/21

天気:くもりときどき晴れ
単独登山
テント泊装備

(Day2)
鳳凰小屋
  ↓
地蔵岳
  ↓
アカヌケ沢ノ頭
  ↓
観音岳
  ↓
薬師岳
  ↓
中道ルート
  ↓  
青木鉱泉

走破距離…約9.36km


www.movescount.com




山の朝は早い…

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おはようございます…
という事で時刻は午前2時、今日はこの時間に起床です。
今回はですね、ちょっと頑張って稜線上から朝日を拝んでみようと思ったのですよ。
寝る前は意気揚々としていたのに少し眠るとあら不思議、まったくやる気になりません。
いやー眠たいっす…。





ちんたらと撤収作業を進めていると腕に振動が。
SUUNTOの時計は日の出日の入りの時間の何時間前にお知らせするかを設定することが出来ます。
この日も一時間前にお知らせ…ってもうそんな時間‼?
やばい急がなっ!
これ以外にも山で役立つ機能が満載のSUUNTOの時計。
私はSUUNTO Traverse Alpha」を約3年ほど使ってますがとても便利です。
最近は値段もだいぶこなれてきたので買い時なのかも?




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ここで私流の夜間撤収術をご紹介です。
夜間撤収時って暗いので忘れ物しがちですよね。特にペグとか。
そんな時に使えるのが…そう三脚
この三脚とテント室内用の明かり(私の場合はSnowPeakのたねほうずき)を組み合わせると、
このように三脚を立てた状態で明かりを取り付けると程よく周辺を照らしてくれるのです。
夜間撤収時は暗いと忘れがちになるので私はいつもこのように簡易照明として使ってます。
周りの迷惑にならないように注意してくださいね!




暗い森なんてあたしゃ進みたくないよ本当は

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前日どこで朝日を見ようか悩んだ結果、結局昨日登った地蔵岳にする事に決めました。
やはり暗い中だと普段と勝手も違うだろうし、何よりあまり長い時間この暗闇を歩きたくない…
という事で結局昨日と同じルートを辿ることにしたのです。

撤収準備も完了し、いよいよ先へと進みま…って進みたくなーい!!
ホントになにが出てくるかわからないリアルおばけやしき状態の森を進むなんて怖がりの私にはハードル高すぎです。
とはいえ、今後のことも考えここは覚悟を決めて進むことに…。




暗い森よりはマシ!再びの賽の河原!

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あまりの恐怖にiPhoneのラジオを流しながら進むこと数十分。
なんとか明るいところに出ることが出来ました。
このルートで明るいところといえば…そう、「賽の河原」です。しかも二回目です。

とはいえこの辺りは開けている為、先ほどのような暗さを感じることはありませんでした。
暗い森よりもまだ明るい賽の河原のほうがまし!と考えとにかく登ることにしました。
いやー光ってすばらしいですね、ほんと明るいと心にもゆとりが出てきますよ。
ん?明るくなってきただと…?





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後ろを振り返るとOh my god…
なんと太陽上がってきちゃってるじゃないですか。
折角早起きしたというのに暗闇怖いからギリギリまでテント場にいよう…
とちんたら撤収準備をしていたせいですでに日の出の時刻となってしまっていたのでした。
しかもこの日は雲が出ていてきれいに見られず…折角早起きしたというのになんということでしょう。
若干テンション落ちてしまいましたが先へと進みます。




再びの地蔵岳はほぼスルー

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ということで再び地蔵岳(2764m)」登頂です。
生憎のお天気&平日の早朝ということで私以外に誰もいません。
この辺りまで来たらだいぶ明るくなっていてもうヘッデンも必要ありませんでした。





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早々に地蔵岳を後にし、次の目的地である観音岳へと向かいます。
あれ?なんだか意外と見近そうですねー余裕余裕。
とこの辺りからだいぶ心にも余裕が生まれてきたので、
ここからはカメラを首からかけて進むことにしました。
稜線上というのはどこもシャッター切りたくなる絶景ばかり。
行程に遅れが出ぬよう気をつけながら進みます。





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地蔵岳を後にし緩やかな登りを進みます。
振り返るとオベリスクと共に日の光が雲からこぼれていました。
しかしながらオベリスクの存在感はすごいですね。
どこから撮っても絵になります。
これでお天気よかったらなぁ…。





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途中ふとオベリスクを見上げた時の一枚。
なんだか木々の枝がオベリスクを掴もうとしている無数の腕のように見えとても不気味に感じたので思わず撮影してみました。
さらにこれを白黒で現像すると…あれ?自分病んでる?なんて思わず疑ってしまうような一枚が完成。
私の中の南アルプスはちょっと怖いイメージもあるので意外と思ったように表現できたかなと我ながら満足してる一枚です。
でも気持ち悪…




アカヌケ沢ノ頭から始まるハイパー北岳タイム

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そうこうしているうちに「アカヌケ沢ノ頭」という何とも不思議な名前で呼ばれている分岐点までやってきました。
ここから鳳凰峠や広河原峠方面に抜けることができます。
ん?広河原?ということはもしやあそこに見える山は!?





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出ました!北岳です。
富士山に次いで日本で二番目に高い山。
地蔵岳からだとこのアカヌケ沢ノ頭が手前にあるためその姿を見ることが出来ません。
ここにきてついにその姿を拝むことが出来ました。
実は北岳との遭遇は初めてだった私はもう大興奮!
今年は登りに行きたいぞ!





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ここから猛烈な北岳のターンが始まります。
観音岳までのほぼすべての行程で北岳を望むことが出来ます。
というよりも振り向くとそこに北岳がいる状態。
今まで全く見ることが出来なかったのに夢のようやで…。





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振り返るとそこには進んできた道のりが…。
オベリスク右下の砂浜みたいなところが「賽の河原」です。
こうしてみるとかなりの急斜面さがお分かりいただけると思います。
これで足元が砂浜みたいなんですよ?
ホントとんでもないとこですね、まったく。




山あるある→「近く見えるときはたいてい遠い」

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アカヌケ沢ノ頭を出てしばらく経ちましたが一向に山頂が見えてきません。
それどころかまた下り始めてしまいました。
そしてついたのがこの分岐です。
ここは前日に鳳凰小屋の小屋番さん教えてくれた鳳凰小屋から観音岳に抜けるルートとの分岐点です。
なるほどここに出れたのか…ってここからまだ40分ですか?
近くに見えるときはたいてい遠い…山あるあるですね。
とにかく進みましょう。





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さて再びの登りを進んでいくとなぜかまた足元が砂になってきました。
登りになると砂化するこの登山道、我々は試されているのでしょうか?
とはいえ賽の河原で鍛えられたこの私にしてみればこの程度の登り、屁でもありません。





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ということで無事に観音岳(2841m)」山頂に到着することができました。
ここ観音岳鳳凰三山の最高峰。
最高峰ゲットだぜ!





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振りかえると地蔵岳オベリスク、左手には甲斐駒ヶ岳、右手には八ヶ岳を一度に臨むことが出来ました。
なんとも贅沢な風景ですね。
どこを撮ればいいか迷っちゃいますよ。

この辺りでようやく夜叉神峠方面から登られてきた他の登山者の方と会うことが出来ました。
やはり人と会うと安心しますね。





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観音岳を満喫したのち、鳳凰三山最後のピークとなる薬師岳を目指します。
観音~薬師岳は比較的近く、また観音方面からは下りとなるためかなり楽に進むことが出来ます。
そしてここから見えるは…そう富士山です!
鳳凰三山の稜線で調べるとよく出てくるこの絵を見ながら進むことができます。
やっぱりこういう稜線上は気持ちよいですね!





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しかしこうして平日の朝から稜線上を歩いていると、去年の北ア表銀座縦走を思い出しますね。
確かあの時も会社ズル休みし…おっとあぶねぇ!
こういうところは思わぬところで足や口など滑らせたりするので皆様もお気を付けください。





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ここを通る4割くらいの人がやってそうなことをやってみる。





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そして最後のピークである薬師岳(2780m)」に到着しました。
これにて憧れの鳳凰三山縦走完了!
やったね!





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薬師岳から富士山方面を望みます。
右手に見える屋根は薬師岳小屋」
例年7月~10月までは毎日営業ですが、
5、6、11月は日によっての営業だそうです。
私が訪れた5月のこの日は残念ながらお休みとのことで今回は立ち寄りませんでした。
ここを更に進んでいくと「南御室小屋」を得て「夜叉神峠」へと出ることが出来ます。
夜叉神峠ってゆるきゃ〇△でほうじ茶の下りがあったあそこでございますよ。





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ここからも北岳をがっつり拝むことが出来ます。
これでもかというくらい北岳を見ることが出来るこのルート。
私の様に北岳耐性がない方はきっと大興奮するはずです。





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こちらから観音岳を目指す場合は登りとなりますがそこまで急ではないです。
この時もテント泊装備の登山者の方が進んでおられました。
鳳凰小屋でテント泊でしょうか?賽の河原に気をつけて…。




下りなのに3時間45分、中道ルートはなんか不気味。

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稜線からの絶景を堪能したら、そろそろ出発です。
帰りは元来た道を戻らず、薬師岳から青木鉱泉へと抜ける「中道ルート」を進みます。
ここを進むことにより青木鉱泉を起点とした周回ルートとすることが出来るのです。
しかし下りなのにコースタイムで3時間45分もかかるって本当なのかな?





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しばらくは富士山を見ながらゆっくりと下ります。
この辺りはまだ楽しく下ることが出来ます。





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とそんな風景もつかの間、あっという間に樹林帯に突入しました。
さあここからがとにかく退屈。
同じような道をひたすら下ります。
しかも勾配も比較的緩やかであまり下ってる感じがしませんでした。
あのコースタイムかなりリアルなのかも…?なんて段々思い始めてきました。





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このルートで唯一の楽しみがこの大岩。
この隙間があるとなると…皆さんやられることは一つですよね。
私もやりましたよ、ええ。





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そんなアクティビティを堪能しつつ先へと進みます。
ってまだ約3時間もあるのか、なげぇ…





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この辺りからどうも薄暗くて昼間なのにやや気味の悪い雰囲気が漂い始めました。
写真だと空が明るくてそんな風に感じませんが、横の木々は光が届かずどうも少し陰湿な感じ。
お世辞にも気持ちの良い登山道という感じではありませんでした。
皆さんこの中道ルートを進めない理由がなんとなくわかったような気がします。
おそらく私も二度とこのルートは使わないと思います。
私的には登りも下りもどちらもおススメしません。
あまり山で感じたことのないなんかいやーな感じが終始漂ってました。





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そんな樹林帯を抜けると始まるのがこの笹ゾーン。
いままで木々ばかりだったのにいきなり笹が広がる不思議な空間に出てこれまた不思議。
しかもこの笹ゾーンもとにかく長いです。
ここから更に1時間40分…下山してるとは思えません。
ちなみに少し急いだのにも関わらず、ほぼほぼこのコースタイム程度の時間がかかりました。





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笹ゾーンが終わると一気に下ります。
ここからは山の斜面に出来た道をジグザグに下っていきます。
ここも長かった…ほんとこの中道ルートはどこもコースタイム以上の時間がかかったように感じます。





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ボロボロの小屋が見えてきたらようやく登山道も終了です。
このルート…本当にあまりおススメ出来ません。
何か思い出しながら書いてるうちに怖くなってきちゃったよ…。





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登山道が終わりということはようやくゴール!だと思うだろ?
違うんだな~これが。
ここから上高地風な道をさらに40分ほど進まなければなりません。
ちょっと退屈ではありますが先ほどまでのあの雰囲気から解放されただけ気が楽でした。




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そしてようやくコンクリート製の橋という人工物に出会い…





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無事に出発地である「青木鉱泉に到着しました。
怖かったけど無事に下山できてよかった!
お疲れさまでした!




南アルプスはなんだか不思議で少し怖い雰囲気

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ということで自身初の南アルプスへと登山に出かけてきました。
憧れの鳳凰三山縦走も達成できてとても満足なのですが、
やはり南アルプスは少し不思議な雰囲気が漂っているように感じました。
昔から山岳信仰の対象として称えられていた…なんて話を聞いていたからそんな風に感じたのかもしれません。
純粋に登頂出来て楽しかった!というよりもなんだか不思議な雰囲気のところに来てしまったぞという感覚のほうが大きかったです。
何度も言うようですが中道ルートはおススメしません。
縦走されるのであれば「ドンドコ沢ルート」や「夜叉神峠」をご利用されたほうがよいかと思います。


そんな南アルプス、しばらく控えるのかとと思いきや…なんとこの次にもまた出没していたのでした。
次回はいよいよあの日本三大急登にテント担いで挑戦します。
それでは!