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【機材】登山に三脚を携行すべきか?写真の幅が広がる理由とおススメ機材について


登山と三脚。




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登山に三脚持ちだすかどうか問題

カメラネタ。
登山の際にカメラを持っていく方はそこそこ多いのかなとは思いますが、
じゃあ三脚まで持っていっている方となるとどうでしょうか?
あくまでも個人的観測範囲内での話になりますが、正直そこまで見ないような気がしています。
単純に携行重量の問題もありますが、最近のカメラって手振れ補正機能が優秀だからそもそも三脚使わないって方も多いのかもしれません。





とはいえこの三脚、ブレ揺れ軽減だけが目的ではありません。
三脚があることで撮影できるものがあるものこれまた事実。
今回はこの登山と三脚について、持ち出すことで撮れる写真の例やその選び方、さらに市川個人的におススメの三脚について書いてみます。
とまぁそんな具合でGWのお休みに三脚選んでみるなんてのは如何でしょうか?
まぁ動画用の下書きをブログ記事用に再編集しただけなんですけどね。






動画でもしゃべってます。

そんなわけで同じ内容を動画でもしゃべってます。
こちらだと利用シーンの映像も入るので多少わかりやすいかも?
長い動画ですがもしよろしければこちらもご覧ください。

www.youtube.com

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登山に三脚を持ち出すメリット

①三脚の利点と三脚がないと撮れない写真

そもそも三脚ってなんのために使うのか?
恐らく大多数の方が思うのが「ブレ揺れ」を防ぐためかと思います。
皆さんご存じの通りでこのブレ揺れというのは撮影結果に大きな影響を与えます。
折角撮ったのにブレちゃった―とかってのは誰しも必ず一度は経験あるはず。


そんなブレ揺れについて、冒頭に書いた通りで最近のカメラは手ブレ補正機能がとっても優秀です。
設定次第になりますがほとんどの場合であらば日中の撮影であれば手持ちでも十分に抑制し写真が撮れるようになりました。
このことから考えるに「手ブレを防ぐために三脚を使う」という理由だけでは、
いまの時代、三脚を持ち出すことの理由として少し説得力に欠けるかもしれません。


しかしながら、それでも登山で三脚が活躍する理由というのは存在します。
それは「撮れる写真の幅を広げること」にあります。
そうなのです、三脚があることで撮ることが出来るものというのが実は色々とあるのです。





代表例として挙げやすいのが「星」。
シャッタースピードを数秒から数十秒程度まで伸ばして撮影しなければならない被写体の一つです。
この時間、カメラを動かすことが出来ないわけで、この場合には三脚が必須となります。
まぁ最近は手持ちで星撮れるくらいに手振れ補正強いカメラも出てますが、
やはりより撮影結果にこだわるのであらば三脚はないとダメかなと個人的には思ってます。


この撮影はいわゆる「長時間露光」と呼ばれる撮影方法の一つになります。
長時間シャッターを開くことで、普段我々が目にしている世界とはまた違う風景を見ることが出来るのです。
個人的にはこの長時間露光がとても好きで、私はいろんなところでこの撮影を試しています。
だから毎度三脚とND持ってってるってのもあります、重いけどね。





長時間露光は星以外も様々なシーンで楽しめる手法です。
滝や沢の水の流れをまるで絹のように表現したり、雲の動きを滑らかに見せたり、
最近ではあえてカメラを動かして芸術的に見せるICMなども流行っています。
最後は今回の意図とはちょっと違いますが、いずれにしてもより写真の幅を広げることが出来る手法となってます。





また、三脚があることで構図をしっかりと固定できるというのも大きなメリットです。
手持ち撮影では、微妙な角度の変化やカメラの揺れが避けられませんが、
三脚を使えば一度決めた構図をそのままキープし、微調整を加えながら撮影に集中することができます。
とくに、水平を正確に出したいときや、画面の隅々まで意識して構図を作り込みたい場面ではその違いが写真の仕上がりに表れてきます。




その他に定点撮影、今でいうところのタイムラプス撮影なども三脚があってこそ可能になる表現です。
スライダー等でわざと動かすこともありますが、ほとんどで不整地となる登山の場合、結局は三脚は使うことになるでしょう。


力業でカメラを地面や岩の上に置いても代用はできなくもないかとは思いますが、やはり危ないですよね。
岩の上に置いといて目を離したら崖下に転がってたなんてこともあるかもしれませんし、
そもそもそういう場所で満足いく構図や調整するのは少々無理があるような気がします。
大人しく三脚を持ち出すほうが無難で確実に思います。





こんな感じで三脚があると撮影の幅やクォリティをより高めることが出来るようになるわけですが、
何よりも個人的にいいと思うのが「撮影に集中する時間が生まれる」ことかなと思います。
登山行程中に手持ちで撮る、いわゆるスナップ撮影も悪くはないのですが、その一枚に対してあまり時間をかけることが出来ず、
思い入れや何故撮ろうと思ったかなどの含みを持たすことが難しいように思います。


それに対し三脚を使用する場合は、事前に自分が良いと思ったところを見つけるところから始まります。
さらに構図を整えながらじっくり風景と向き合う時間が生まれるため、
スナップよりも一枚一枚を丁寧にまた深く撮ることが出来るような気がします。
こういう時間もあり、三脚を使うことで登山写真を「記録」から「作品」へと引き上げてくれるのかなと思ったりしています。



②登山の際毎回三脚を持ち出す必要はあるのか?

とはいえじゃあ、「登山に毎回三脚持ってったほうがいい?」と聞かれるとまぁ微妙です。
この問いに対する答えはとてもシンプルで、「何を撮りたいか」によって変わるんじゃないかなと考えています。


上にも書いた通りで、最近のカメラは手ブレ補正がとても優秀。
日中の登山道で気軽に風景を撮るくらいなら三脚がなくてもまったく問題ありません。
特に日帰り登山では行動時間が限られ、三脚が本領を発揮する朝焼け・夕焼け・夜景といった時間帯に山にいないことも多いため、
「今回は持って行かない」という選択も大いにアリです。


となると判断基準となるのは前章で書いたような撮影をご自身がやりたいか否かという点になります。
日帰りと言えど朝早くや夜遅くに登り降り(登山的にはあまりよいことではないですが…)して星や朝夕の風景を撮りたいって場合や、
今回は長時間露光で雲流したいって場合、さらにタイムラプスに挑戦したいなんて場合や、そもそも撮影主体の登山で構図やブレ等抑えてきっちり撮りたいって場合、
こういった際には間違いなく三脚を携行する必要があるでしょう。


一方で、気軽なハイキングや仲間との記念写真を中心に楽しみたい場合などには持ってかなくてもよいかもしれません。
個人的な意見になりますが、そもそも複数人と行動する場合の日帰り登山で満足いく写真を撮るのはなかなかに難しいと思います。
無論、みんなが写真撮影目的とならば話は変わりますけどね。
登山メインの方とならばやはりその目的の多くは山を歩き山頂を目指すこと、写真の撮影のために三脚立てて数十分止まるなんてのはちょい難しいかもしれません。


こういう時はもう潔く三脚おいてって登山を楽しむ方が合理的かもしれません。
三脚を置いていき身軽に行動しつつ、手持ち主体にてお友達の写真を撮るとかスナップを楽しむ方が、結果的にその登山の満足度も高くなりそうです。
登山に三脚を持っていくか否か、結局のところ撮りたいものとその登山の山行の目的で判断するのがベストかなと思います。




③登山用三脚を選ぶ際のポイント

そんな登山の際に携行する三脚を選ぶにはどこを見ればよいのか?
登山という環境を考えると、必要とされる性能や優先したいポイントは登山外での撮影とはちょっと変わってくるかと思います。
個人的な意見話すとまぁご自身が担げる範囲でお好きなのを持っていかれたら良いのでは?
…に尽きるのですが、とはいえそれはさすがに冷たすぎですよね。
そんなわけで簡単に選ぶ際のポイントなどを書いてみます。



まず第一に重視したいのが「重量と携行のしやすさ」です。
三脚は撮影機材の中でもかさばりやすく、登山では1gでも荷物を軽くしたいという気持ちになるもの。
できるだけ軽く、ザックに取り付けやすいサイズ感のものを選ぶことで行動中のストレスを最小限に抑えることができます。
ザックからあまりにも飛び出しちゃうと樹林帯で低い木に引っかかって地味にストレスになったりします。
おおよそザックと同じくらいの大きさあたりで選ばれるとよいのかなと個人的には思います。


その他、サイズを選ぶ際に注意したいのが「脚の段数」「最大高」です。
足の段数は多いほど収納時の大きさが小さくなるというメリットがありますが、
反面、節や足の径の細さが原因でブレ揺れが発生しやすい原因となる可能性があります。


最大高は三脚を開いた時の大きさ。
ここはご自身がどの高さまで確保したいかによります。
自分の目線であるアイポイントまで欲しいのか、それともそれより下でよいのか?
この辺りは人それぞれ好みや需要別れるところかと思いますので実物見つつ判断される必要があります。
畳んだサイズも重要ですが設営したときのサイズの方が重要になりますので注意が必要です。





次に重要なのが「安定性」です。軽さを追求しすぎると、今度は撮影時のブレや不安定さが気になってしまうことがあります。
上で重量気にしてくださいと言ってはいますが、あまり軽すぎると今度はこの安定性が損なわれてしまいます。
折角ブレ揺れ抑えていろんな撮影したいのにあまりに軽くて貧弱すぎるとせっかく持っていったのに意味がなくなってしまいます。
また登山では不整地や傾斜のある場所に三脚を立てる場面も多く、三脚の脚そのものの剛性や設計が非常に大きな意味を持ちます。


なお、この安定性を選ぶ際に注目したいのが、脚の径(パイプ径)です。
脚の太さは三脚全体の剛性や安定感に直結しており、一般的に脚が太いほどブレにくくしっかりとカメラを支えてくれます。
軽量性を重視するあまり細い脚の三脚を選ぶと風や振動に弱くなる傾向があるため、
使用するカメラやレンズの重量とのバランスを考慮しつつ脚の太さにも注意して選ぶと安心かなと思います。


さらに「材質」にも注目したいところです。
三脚の素材は主にアルミ製とカーボン製に分かれますが登山用としておすすめしたいのはカーボンです。
カーボンはアルミよりも軽くまた振動吸収性にも優れていると言われています。
その分価格はやや高めになりますが、とはいえ登山時に長時間背負って歩くことや撮影のクオリティを考えるとその差には十分な価値があります。





そして最後は「雲台」
三脚と雲台はセットです、これがないと始まりません。


雲台はいろんな種類がありますが、登山の際は軽量な自由雲台(ボールヘッド)がポピュラーかなと思います。
一つのレバー操作で簡単に構図を調整でき、大きさや重量もさほど大きくならないので携行しやすいといえばしやすいです。
ただしこれ、使えばわかるのですが自由すぎて微調整しずらいというデメリットなんてのもあります。
とはいえ、より調整に優れた3Wayやギア雲台となると重量が増す可能性があったり、
ギア雲台に関しては万が一砂などが噛んで操作不可能になるという可能性もあります。


私も一時期登山時にギア雲台使ってみましたが、確かに便利だけど重いしやはり万が一を考えると不安なので、結局今は自由雲台に戻しています。
この雲台の部分、使い手側で落としどころを見つける必要がありますし人それぞれ重視するポイントも異なるかとは思いますのでいろいろ見てみる必要はあるかなと思います。
個人的には自由雲台でもよいかとは思っています。




④登山におすすめかなぁと思う三脚の紹介

そんなこんなでここからは、登山での使用に適した三脚の具体的なモデルを紹介していきます。
私自身がこれまでに登山や風景撮影で使用してきた中で、携行性・安定性・サイズ感のバランスがとても優れていると感じたものです。




Leofoto LS-254C:登山でしか三脚使わないよって方向け

登山に特化した三脚としてまずおすすめしたいのがLeofoto LS-254Cです。
私はこの三脚をかれこれ4年くらい使ってます。
カーボン製で非常に軽量(足だけなら約1kg)、かつ収納時の長さは約40cmとコンパクトなのが良いところです。
この大きさなので日帰りや小屋泊などあまり大きくないザックで山に行く際などにとても重宝します。
あとややテクニカルな場所に行く際にも取り回しが良いので好んで携行しています。


サイズが小さいので全伸高がやや低いのはありますがそれでもバランス考えると十分かなと思います。
このLSシリーズはセンターポールが別になるのでいざという時に対応しづらいのですが、まぁここまで何とかなってます。
山で使うことを考えるのであらばこれが一番おススメかなぁと思います。





Leofoto LS-284C:登山と普段使いを1本で兼ねたい方へ


とはいえ写真撮るのであらば山以外でも三脚使いたいですよね。
何本も用途に合わせて選んでいたらお金持ちませんし場所も取りますからね。


※写真はLS-284CEX

登山だけでなく普段の撮影にも使いたいという方にはひと回りサイズアップしたLeofoto LS-284Cがおすすめ。
脚径が28mmと太くなりより高い安定性を得られます。重量はやや増えて約1.2kgほどになりますが、まぁ登山にも許容範囲内かと思います。
合わせる雲台などで工夫すれば多少は軽く抑えられるかと思います。


私はこの上のサイズであるLS-324CEXという三脚も愛用しています。
こちらはどちらかというと本当に写真をメインで登るって時用、大分重たくサイズもデカいのですがやはり安定感はあります。
また登山以外での風景撮影の時などにもこのサイズで重宝することが多いです。


このことからじゃあ間のサイズがあらば登山とそれ以外の撮影賄えて塩梅もよいのでは?と思った次第。
昨年ちょうどLS-284CEXをお借りすることが出来たので使わせていただいたのですがホントちょうどよかったです。
(CEX系は少しだけ足の長さが長くなってるのでやや大きいですが…)


一本で色々賄いたいって方にはおススメかなと思います。
山では多少重たいと思うかもですが…色々使えると思って我慢しましょう。





Leofoto LY-284C:センターポール付きの柔軟モデル


上のLSシリーズはセンターポールが別体&0ベースでの調整が出来ないというデメリットがあります。
その分収納径が小さかったりコンパクトに出来るわけですが、とはいえこのセンターポールがないのもちょい不安ですよね。
私は登山時に困るということもないのですが、仕事の時などには困ることがあったりします。
やはりあったらあったでいいなと思うものの一つかなとは思います。


そんなわけで、センターポールも使いたいなって方にはLeofoto LY-284Cがおススメです
これわかりやすく言うと上のLS-284Cにセンターポールの内蔵版って感じ。
サイズ感もちょうどよく、さらにセンターポールも内蔵出来る、なんか強そうですよね。





実際登山にて携行させていただきましたが使い勝手は一番良いように思います。
センターポール、無くても大丈夫ですがやはりあると便利です。
ただしこれを使うとブレ揺れの原因となりやすかったり、
また収納を優先したY字形状は正直そこまで信頼してよいかと聞かれるとやや微妙な気もします。
あくまでも応急処置程度にて考えておいた方がよさそうです。


とはいえあるとないとでは安心度が違います。
これから三脚買われるのであらばこのLYシリーズも見ておいた方が良いかもしれません。
ちなみにLS-254Cのセンターポール内蔵版であるLY-254Cもあるそうです、ちょい気になるね。






三脚があると撮影がより楽しくなるよ

登山と三脚についてダラダラ書いてみました。

登山における三脚の携行は、「どんな写真を撮りたいか」で決まると言ってよいのかなと思います。
日帰り登山で時間が限られている場合には無理に持っていく必要はありませんが、
長時間露光をしたい、構図をじっくり詰めたい、星空をしっかり写したい、
目的が決まっているのであらば迷うことなく三脚をお持ちください。
判断基準はご自身の気持ちの中に…。


また三脚はただの道具ではなく、登山中に立ち止まり、風景と丁寧に向き合うためのきっかけの一つです。
より深く山を感じ、写真に残していくために、三脚の力をうまく活用してみてはいかがでしょうか。
担いで登るの大変ですがきっと持っていってよかったーって時が来るかと思います。
登山と三脚についてこの記事が少しでも参考になれたら嬉しいです。