昨年秋より「MOBI GARDEN」というメーカーの、
「LIGHT WINGS DAC UL1(日本仕様)」というテントを使ってきました。
良い点気になる点、私が思ったことについて書いていきます。
(商品提供:株式会社 帝伸テック)
- MOBI GARDEN 「Light WINGS DAC UL1(日本仕様)」を使ってみました。
- スペックについて
- 開封と付属品について
- 設営してみた
- テントを見てみよう
- 実際に使ってみての感想
- 修理について
- この製品はこんな方におススメ
- 動画もあるよ
- そのほかの我が家のテント達
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MOBI GARDEN 「Light WINGS DAC UL1(日本仕様)」を使ってみました。
昨年夏以降、MOBI GARDENというメーカーの
「LIGHT WINGS DAC UL1」というテントを何度か使って登山に出かけてきました。
この様子はYoutubeにアップしたほかの動画でご覧いただけますので、
そちらもご覧いただけますと幸いです。
先にお伝えしておくと実はこの型のテント、以前にもいただいております。
今回メインでお伝えするのは「青い色の方」の日本仕様についてです。
赤いほうの中国仕様については以前記事にしておりますので、
よろしければそちらもご覧ください。
今回ご紹介するのは日本国内での使用を想定した日本国内販売モデル。
このテントを秋の涸沢・下ノ廊下と八ヶ岳にて使用してみましたので、
それを踏まえて商品をご紹介します。
日本仕様と中国本土仕様の一番の違いはインナーテントの材質、
この辺りも含めご紹介していきます。
なおこのテントは私も仲間に入れてもらっている、
神田南口登山部のスポンサーさまである「帝伸テック」さまよりご提供いただいたものです。
同社はこのMOBI GARDENやTHE FREE SPIRITS等の日本正規代理店となっています。
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スペックについて
設営の前にまずはスペックを簡単に見ていきましょう。
なお寸法等については以前ご紹介した赤色の中国本土仕様と殆ど変更はありません。
設営時寸法 | |
---|---|
全体 | 1650㎜(1250㎜)×2050㎜×1050㎜ |
居住部 | 1050㎜(650㎜)×2050㎜×950㎜ |
前室部 | 600㎜×2050㎜ |
収納時寸法(実寸) | |
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袋収納時 | 130㎜×430㎜ |
なおこの状態はポールやフットプリント等全て含まれた状態です。
総重量 | 約1300g |
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詳細 | |
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フライシート | 15D330Tリップストップナイロン シリコンコーティング 3000mm防水 (KOLON社製) |
インナーテント壁面 | メッシュ, インナーテントボトム 20D400Tリップストップナイロン シリコンコーティング(4000mm防水) |
ポール | DAC Featherlite NSL Φ8.5 |
ペグ | DAC J-STAKE 10本 |
フットプリント | 20Dリップストップナイロン PUコーティング 4000mm防水 |
開封と付属品について
開封します。
箱から取り出すと大きな袋が一つ出てきます。
この中に設営に必要なものが全て入っています。
こんな感じ。
内容物は「ペグ(9本)」「ガイライン(3本)」「テントポール」「グラウンドシート」となってます。
これらを全て一つに収納することが可能、
きちんと入れておけばこれ一つ持ち出すだけでOKというのは便利ですね。
特にテントポールまで収納できるのはよいです。
私がメインで使っているモンベルのステラリッジの場合には、
一緒に入れることが出来ない為ザックに別に入れなければなりません。
これ…入れ忘れる危険性があるんですよね。
せっかくテン場付いたのにテントポール忘れるとか大事件ですね。
幸い私は未だ経験していませんが、油断するとやりかねない事案かと思います。
一緒に出来ればそんな心配もないわけでこれは精神的にも助かりますね。
付属品についてはこの後の設営編でご紹介します。
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設営してみた
実際に設営してみましょう。
以降の写真は昨年11月に赤岳に登った際に撮影したものとなります。
ちなみにテン場は行者小屋です。
まずはテントを袋から出し広げます。
動画の時点でこのテントを使用するのは3回目、
そのためちょいとしわしわになってます、ご了承ください。
おいおい、グラウンドシートは轢かないのか?と思われた方ご安心ください。
実はこの部分もこのテントの特長の一つなんです。
その秘密はテントの四隅にあります。
何やら樹脂で出来たバックルのようなものがありますね。
実はこれが秘密兵器。
インナーテントとフライシート、さらにインナーテントとグラウンドシートを留めることができるんです。
さらにこの状態で収納可能。
つまり袋から取り出すだけでですべてを一度に準備することができてしまいます。
このテントのレビューの多くに設営時間が短い!という書き込みが見られますが、
それを実現しているのがこの構造というわけです。
広げた後はポールを設置します。
前回の中国本土仕様の時も書きましたが、
こちらの日本使用でもDACという会社のポールが使わています。
DACのポールは高品質なことで有名で、
実は様々な有名メーカーのテントにも採用されています。
私がメインで使っているステラリッジもこのDACのポールが使われてるんですよね。
それだけの品質を持つDACのポールとなると、やはり値段もそれなりとなるそうです。
とはいえあえて妥協せずにこういったポールを採用するあたり、
値段以上に良いものを作ろうとするスタンスが見て取れるような気がします。
ポールは一体型。
前後それぞれに接合部のようなものが用意されており、
ここに足となるポールを組み合わせてることにより、
前後にそれぞれY字を作る形となります。
この構造も設営を容易にする工夫のように思いますが、
ショックコードが伸びた時に交換する場合どうすればよいのか気になります。
話戻って、伸ばしたポールをテントに取り付けます。
このテントは釣り架け式、まずは釣り架けるために足を立てる作業です。
最初に前後いづれかの二本を金属製のひっかけ部に取り付けます。
その後、反対側も同じようにひっかければ自立、テントっぽい形の出来上がりです。
ここからの作業はとても簡単。
先ずは足の接合部の突起部に合わさる樹脂のパーツをスライドさせ取り付けます。
その後、テント上部に用意された樹脂のパーツをポールへとパチパチと取り付け、
最後にペクダウンとガイロープを張ってあげれば出来上がりです。
ネットだと最短3分と書かれているサイトがありましたが、
3分までとは行かなくともかなり早く設営できるかなと思います。
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テントを見てみよう
実際に張ったテント見てみます。
全体形状はこんな感じ。
まずは入口。
長編部分に入口があるため。出入りは比較的しやすいかなという印象です。
縦走時等の場合、背負うザックも大きなものとなることが多く、
入口が小さいと出し入れが大変な場合もありますが、
少なくともこのテントであればそんな苦労はないかなと思います。
前室は横幅が広いため多少は使い勝手よいかなと思います。
一応調理もできなくはありませんが、フライシート斜面が緩やかなため、
高さのある調理器具を使う場合には要注意です。
日本版のインナーテントは透湿素材に変更されています。
赤色の中国版はメッシュ生地のみでした。
ただしこの部分、最新版ではメッシュ+透湿素材の構成となっているようです。
このためお値段もちょっと上がっているのだそう。
夏の夕方近くなど、昼間の熱がこもりテント内が熱く感じることがよくあります。
とはいえ風を入れようと開けると今度はは虫が入ってくるなんてことも…
蚊帳のように使えるメッシュ生地があるとより使い勝手はよさそうです。
居住スペースもケーキをかじったような形状で、
入口から奥に行くほど幅が狭くなっています。
ザックを入れることも考慮すると完全な一人用ですね。
入口側短辺部分上にはベンチレーションっぽいものが用意されています。
ただしこれメッシュ等なく筒抜け形状、何かの侵入を許してしまう可能性ありです。
また、この形状だと開けてたつもりが閉まってしまうなんてこともなきにしもあらずな気がします。
個人的には長編側に丸っとつけたメッシュの巾着っぽくしてくれたらよかったのにと思いました。
最後に天井部分、天井部にはカラビナが用意されています。
これを使って小さなランタン等の取り付けが可能です。
なお、残念ながらポケットのような収納部分が用意されていません。
ここにテントの外袋等を入れて使用していたので少し残念でした。
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実際に使ってみての感想
では最後に私が実際に使ってみての感想です。
先ずはいいところから。
良いところ
第一に設営がとても楽です。
インナーとフライ、さらにグラウンドシートが一体となっているこの構造は、
広げてポール取り付けるだけでほぼ8割方の作業が終わります。
真夏や行動時間長いときなどテン場についた段階でクタクタにつかれていることもあるため
こういった機構は助かるかなと思いました。
また逆も然りで撤収時も非常に素早く片付けることが出来ます。
縦走時の朝など出発を急がなければならない際にはとても重宝するかなと思いました。
それでいて収納状態の状態がコンパクトなのもよいところ。
おまけに重量はダブルウォールなのに約1300gと比較的軽量です。
また、ポールを本体に収納できる機構は忘れ物防止に一役買ってくれることかと思います。
これだけ持てばOKというパッケージングは地味に便利です。
最後は値段。
現在販売されているインナー透湿+メッシュ記事モデルの実売価格は約35000円、
他社のテントと比較しても比較的お求めやすい価格となっています。
ちなみに私が使用している透湿オンリーモデルは実は手違いによって生まれたモデルらしく、
なんと数量限定で26800円にて販売されていたそうです。
この値段はとても安いですね…。
(残念ですが完売となったようです。)
とはいえ上に書いた通り、メッシュ記事がある方が夏場の使い勝手は上がります。
またDACのペグやポールをつかい、フライシートやグラウンドシートまで入ったテントと考えると、
現在価格でも十分お得感はあるかなと思います
Mmmm…
ここからは少し気になる部分です。
完璧にいい!というわけではなく、多少なりとも気になる部分があります。
先ずは耐久性能について。
DACのテントや透湿性素材を使用しているとはいえど、
果たしてどこまで日本の山岳環境に対応できるのかやや不安な部分があります。
お話しお伺いしたところ、
もちろん日本の環境を考慮しさらに耐風、耐水等の実験を踏まえたうえで商品化しているそうですが、
いかんせん実績を見かけないのが消費者側としては気になるところです。
ちなみに風に対する試験である「風力試験」では保証値が6(10.8–13.8m/s2)となります。
ただしこれはあくまでも安心して使えますよという値、
実際には階級MAXでも試験を行い破損がないことまで確認されているとのことでした。
とはいえあくまでも保証値は6となりますのでご参考までに。
こういった試験結果から見ても、おそらくはさほど問題はないかと思いますが、
まだ日本に入ってきたばかりの製品と考えると少し不安な部分もあります。
購入するのであればもうすこし現場での実績が知りたいなと思いました。
お次は値段。
先ほどオールインワンでこの値段はお得感ある!といったばかりですが、
これはあくまでも3シーズンに限った話です。
もしも冬を含めた4シーズンで考えるとなるとこれは話が変わってきます。
オールインワンということはつまり拡張性はほぼ0です。
従ってこのテントを雪山で使うことは想定されていません。
間違っても使ってはいけません。
しかしながら、他社のテント、例を挙げると私がメインで使用しているステラリッジテントの場合、
オプションで雪時期対応のスノーフライというものが用意されています。
これを使うことにより冬時期にも対応しオールシーズン使うことが出来るのです。
人間、目標を達成するとどんどん先へ先へと行きたくなるものです。
登山となるとその魅力にどんどんハマって次々新しいことに挑戦してみたくなるかと思います。
最初は夏だけ…と思っても、いつの間にか雪山にも挑戦してみたくなるかもしれません。
そんな時に毎度用品を買い替えなければならないのはなかなか大変です。
初期投資額は多少かかったとしても将来を見越して購入を考えると、
やはりこういったオプションパーツが充実したものの方がいいのかなと思ったりしてしまいました。
修理について
最後に気になるMOBI GARDENのテントの修理について。
コチラに関しては販売元の帝伸テックさまにてお引き受けいただけるとのことです。
修理に関してやまた気になる箇所などありましたら、
一度下記フォームよりお問合せ下さい。
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この製品はこんな方におススメ
・とにかくお安くしっかりとしたテントが欲しい方
・3シーズンしか山に登らない方
におススメなのかなと思います。
使った感じは日本の山でも問題なさそうなので、
今年の登山ではステラリッジとこのテントを場所に応じて使い分けていきたいと思います。
今後も何かありましたら記事にてお送りします。
動画もあるよ
今回のブログの内容とほぼ同様の動画をアップしました。
一連の設営の流れなどみることができますので、
よろしければこちらもご覧ください。