以前ご紹介した「HAIDA リアNDフィルター」の後編です。
連休も終わりようやく外で使うことができました。
今回は写りや野外での使用感について見ていきます。
- HAIDA (ハイダ) リアレンズNDフィルターキット[HD4567]の後編です
- HAIDA(ハイダ) リアレンズNDフィルターキット[HD4567]を実際に使用してみました
- HAIDA を使用して撮影した写真
- 角型フィルターとリア挿入式フィルターについて
- 角形フィルターのメリット・デメリット
- リア挿入式フィルターのメリット・デメリット
- HAIDA リアNDフィルター、よさそうです
- 撮影の様子を入れた動画も作りました
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HAIDA (ハイダ) リアレンズNDフィルターキット[HD4567]の後編です
ようやく以前購入した「HAIDA リアレンズNDフィルター(HD4567)」を使うことが出来ました。
今回は後編ということでフィールドでの使用感や写りについてみていきたいと思います。
前編記事ではこの商品の概要や取り付け方について説明しています。
よろしければこちらの記事もご覧ください。
HAIDA(ハイダ) リアレンズNDフィルターキット[HD4567]を実際に使用してみました
まずはこのフィルターの写りについて簡単に調べてみることにしました。
ここでは皆さんが一番気になっているであろう「写り」について見ていきます。
フィルターによる描写への影響や特にNDよる色被りなどが気になるところです。
なお今回は比較対象としてNiSi製角形フィルターでも同じようにに撮影をしてみました。
その関係でここでは両者で一致する濃度(ND1000・ND64)を使用しています。
また、ブログ掲載にあたりRaw現像を行っています。
Lightroomにて基本的な項目についてのパラメータ調整を簡単に行いましたが、
色温度及び色被り補正については撮影時のままで、
また撮影時の値も両者の値は同じとなっています。
今回のテスト撮影時の情報は下記の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
撮影日 | 2020年8月30日 |
撮影開始時刻 | 17時 |
使用モード | 絞り優先 |
ISO感度 | ISO100 |
絞り | f/10 |
焦点距離 | 14㎜ |
WB | マニュアル(5700K) |
露出補正 | ±0.00 EV |
使用ボディ | SONY ILCE-7RM4 |
使用レンズ | SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN ?Art 019 |
使用三脚 | Leoofoto LS-324CEX |
使用雲台 | Leofoto VH-10 |
備考 | ワイヤレスリモコンレリーズ使用 |
焦点距離については毎度広角端14㎜となるようにしたのですが、
角型ホルダーを付けたらなぜかEXIF上では14.6㎜という数値となってしまいました。
これが何故だかはわかりませんがご承知おきください。
①ND64を比較
先ずは両者のND64のNDフィルターを使用して撮影してみました。
左がHAIDAで右がNiSiです。
色味に関してはどちらもあまり違いがないように見えますね。
中央部・右側・左側の部分を等倍で見てみます。
どちらも同じくらいではないでしょうか…?
優位性はともかく、写り方に関してはフィルターの影響はなさそうですね。
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②ND1000を比較
お次はさらに濃い「ND1000」を見てみます。
こちらはというと先ほどよりもかなり色味に違いが現れました。
HAIDAの方は相変わらずあっさり目。
こちらはフィルターの影響はほとんどないようで色見はかなりリアルに近い印象です。
そして対するNiSiは全体的に赤みがかったような色合いになっています。
マジックアワーでの撮影等であれば逆にNiSiの方がよりドラマティックな写りになりそうです。
半面昼間の撮影であれば少し色被り補正を適用させたいかなというのが私の感想です。
こちらも等倍で見てみます。
濃い目の濃度ということでNDの効果がはっきり出ていますね。
描写に関しては右側のNiSiの方がややくっくりしているような気もしますが、
いうほどの差はないかもしれません。
実用十分、特別問題は感じません。
HAIDA を使用して撮影した写真
ざっくりですがHAIDAのフィルターについて見てみました。
性能に関して特別問題となるようなこともなく普通に利用することが出来そうです。
ということで夏休みが明けてようやく人が少なくなった水辺で撮影をしてきました。
ここからは実際にこのフィルターを使用して撮影した写真を数枚ご紹介していきます。
SONY α7RⅣ+SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN Art&HAIDA RearND Filter(ND1.2)
(14.0㎜ ISO320 f/10.0 SS2.0)
SONY α7RⅣ+SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN Art&HAIDA RearND Filter(ND1.2)
(14.0㎜ ISO400 f/10.0 SS15.0)
SONY α7RⅣ+SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN Art&HAIDA RearND Filter(ND3.0)
(24.0㎜ ISO200 f/10.0 SS52.0)
SONY α7RⅣ+SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN Art&HAIDA RearND Filter(ND3.0)
(14.0㎜ ISO100 f/11.0 SS53.0)
SONY α7RⅣ+SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN Art&HAIDA RearND Filter(ND1.2)
(14.0㎜ ISO100 f/10.0 SS15.0)
似たような写真ばかりですみません。
少しでも参考にしていただければ幸いです。
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角型フィルターとリア挿入式フィルターについて
ということでHAIDAのリアNDフィルターについて見てきました。
最後に角形フィルターとの比較等々含めて、
この製品を使ってみての感想などを書いてみたいと思います。
角形フィルターのメリット・デメリット
まずは角形フィルターについて見ていきます。
角型フィルターのメリット
先ずは現場での作業性について。
角形フィルターはレンズにホルダーを取り付けてからそこにフィルターを挿入するわけなのですが、
この方法はリア挿入式よりも作業しやすいです。
いちいちレンズを外さなくてもいいので三脚に固定したまま交換しても問題なく、
今回のような水場であれば陸に上がらずにそのまま撮影を継続することが出来ます。
また、角形の場合はフィルターの重ね付けが出来るところもメリットの一つです。
ホルダーにあるスリットの数だけフィルターを同時に取り付けることが出来るため、
異なるND同士を重ねてより濃度が濃いNDフィルターとして使用したり、
またハーフNDやC-PLフィルターと組み合わせてシチュエーションに応じた効果を足すことができます。
何よりも角形フィルターのメリットとなるのがその種類の多さです。
ハーフNDやC-PL等々様々なメーカーからいろんな効果をもたらすフィルターが発売されています。
とりあえずホルダーと基本的な角形フィルターキットを買ってしまえば一通りのことは試すことは可能かと思います。
角形の一番のメリットは様々な撮影に対応できるところ。
撮影における利便性においてはやはり角形の方に軍配が上がるかなと思います。
角型フィルターのデメリット
その半面、気になるのはその「携行性」と「お値段」です。
(※センササイズや使用レンズにもよります。)
携行性についてですが私はやはり不便に感じることが多いです。
フルサイズ用だと大体が150㎜のものを使うことになるわけなのですが、
大体の場合で数枚を携行することになります。
…となるとその重量もそこそこの重さになります。
私の手持ちの場合、
角形フィルター一式(フィルター4枚+ホルダー+ケース)の合計重量は約940gです。
これにレンズの重量を合わせると約1.8kgとなります。
車などで移動して撮影するならまだしも、
登山となると山行によっては自宅待機を求めざるを得ない場合も発生しそうです。
また持ち運び時もこれだけ大きなガラスを扱うとなると多少は気を使います。
ケースに入れてるとはいえ、やはりガラスはガラスです。
衝撃加えてしまったときなど大丈夫か?と不安になることもしばしばありました。
持ち運びでさえこの状況とななれば撮影の時はさらに大変です。
取り外し時等、落とさないかとかなりヒヤヒヤします。
そんなヒヤヒヤに拍車をかけているのがその「お値段」です。
大きさやその効果にもよりますが大体どれも一枚当たり数万円程で売られています。
数万円が一瞬でガラス片になると考えるとスリルも倍増しますよね。
とはいえ最近では補償も付いたものもあるようなので以前よりは使いやすくなってるのかも。
撮影の幅を大幅に広げることが出来るけれども、重量や素材故に携行性にやや難ありで何よりお高い。
この辺りのことから導入を躊躇されている方も多いのかなと思ったりします。
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リア挿入式フィルターのメリット・デメリット
リア挿入式NDフィルターのデメリット
リア挿入式はどうでしょうか?
こちらは先にデメリットからお伝えしていきます。
まずは作業性。
交換するためにいちいちレンズをとりはずさなければならないのは正直不便です。
頻繁に濃度を変更したいときなどはかなり面倒を感じることかと思います。
手間だけでなく、頻繁な脱着はセンサーへのゴミの侵入も招きかねません。
特にミラーレス機はレンズ取り外したらセンサー丸見えのものがほとんどです。
レンズの脱着=センサが汚れるリスクが高まるわけなので、
あまり脱着したくないというのが正直なところです。
また、フィルター交換に少し時間がかかるのも気になるところです。
レンズを外してフィルターを…となると角形よりも時間はかかります。
さらにこの作業を行うのであればレンズを置ける場所を確保する必要もあります。
レンズを外してケースからNDフィルターを出したり、
またフィルターを外してケースへしまう時など両手で作業をしたいときが必ず出てきます。
(頑張れば片手でも可能でしたが私はおススメしません。)
場所によっては脱着にかなり苦労する可能性もあるかと思いました。
実際の使用感についても角形とは大幅に異なります。
一番の違いはその「取り付け枚数」
このリア挿入式の場合、実は一枚しか取り付けることが出来ません。
つまり、「最小でND4・最大でND1000」までの効果しか得ることが出来ないため、
このセットだけでは使用者が望んでいる表現が出来ない場合も発生する可能性があります。
角形であればホルダー許す限り組み合わせて使用できるため、
撮影における応用性と考えるとやはり角形の方がアドバンテージがありそうです。
リア挿入式NDのメリット
とはいえ、それでもやはりその軽量かつコンパクトなパッケージはとても魅力的です。
手のひらサイズNDフィルターが計四枚も収まるとなると携行性は抜群で、
これなら登山さらには連泊での縦走にも容易に持ち出すことが出来ます。
また取り付け方法は確かに面倒ではありますが、
その代わり「フィルター使用時でも未使用時と同等の外観を保てる」いうメリットもあります。
今回のように滝など水がかかる場所での撮影の際などでは、前玉に水滴がついてしまうことが多々あります。
角形の場合、レンズ前面に大型な四角いフィルターを付けることから水滴の影響を受けやすく、
またその面積が大きいため拭き取る場合などには広い範囲を拭かなければなりませんが、
リア挿入式の場合には通常のレンズと同じ状態です。
今回の撮影では滝下まで突っ込んだ際などにかなりの水滴が前玉に付着しましたが、
サクサクとふき取ることが出来ました。
何よりカメラを移動させる際などはとても楽でした。
角形の場合は移動する際に一度すべてバラしたり、
はたまたリスク覚悟でガラスつけながらそのまま移動しなければなりませんが、
リア挿入式であればこんな苦労を味わうことはありません。
これなら静止画のみならず、動画等でも活躍できるの思いました。
携行性に優れ、また撮影時の形状も変化しない、
さらに写真撮影のみならず動画でも使用できたりと今までとは違う撮影や体験が出来る可能性があるように思えます。
今後より多くの効果が得られるフィルターがラインナップが増えていけばより身近になっていくのかなと考えます。
HAIDA リアNDフィルター、よさそうです
長々と「HAIDA リアレンズNDフィルター(HD4567)」についてお送りしていきました。
超広角レンズでのNDフィルター使用を実現させながらも軽量かつコンパクトで携行しやすく写りも良好、
さらに装着時は外観の変化がないため動画・静止画問わず気兼ねなく超広角でフィルターを使っての撮影が楽しめます。
その半面、角形ほど凝った撮影はできないため人によっては多少物足りなさを感じるところもあるかもしれません。
ちなみに私自身は「買ってよかった!」と思っています。
多少面倒な交換さえ慣れてしまえば様々なところで超広角でのフィルターワークが楽しめるからです。
今までNDを使うのをあきらめていた場所やシチュエーションでもそれを簡単に利用できるわけで、
あんなところやこんなところでも使用できるぞ…!と今からすでにワクワクしています。
まぁ体力つけて角形持ってけよと言われればそれまでですが…
現状だとまだNDフィルターしか発売されていないため、
今後は手持ちの角形フィルターと組み合わせながら使用してみようかなと考えています。
登山時など今回のHAIDAセットとハーフND一枚だけを携行してみるのもよさそうです。
重量は大幅に軽くなりかつハーフNDまで楽しめるのはかなり魅力的です。
というよりも「リア+角形」の使い方って結構よさそうな気がしますがどうでしょう?
リア挿入式を各社が発売したら取り巻く環境も変わるような気がします。
一枚辺りのサイズが小さいリア挿入式は恐らくお値段も角形より安価になるかと思います。
さらにホルダーを購入する必要もないわけなので、これなら試してみようと思う方も多くなりそうです。
そこから角形(ハーフやPL)等々、角形ならではの製品との組み合わせを提案していけば需要にもつながる、
…のかもしれません。
またNDだけでなくその他のフィルターもリア挿入式で発売されるようになればより楽しめそうです。
例えば以前ご紹介した、
Kenkoさんの「プロソフトンクリア」や「スターリーナイト」のように星を撮影するときに使用するフィルター。
これらがリア挿入式になれば暗闇での操作性は大幅に向上するのはもちろん、
さらにレンズ側にもレンズヒーターを取り付けられるようになります。
これにより今まで不可能だった条件での撮影や夢見ていた一枚を撮れるよになるのかもしれません。
さらにリア挿入式フィルターがアルカスイスのように共通規格化して、
超広角にもならず様々なレンズでも使えるようにできるようになれば…
などと素人の私は勝手に妄想してしまいました。
なんだか話がまとまらずにどんどん妄想が膨らんできてしまったので今回はこの辺で。
今後もこの製品を使ってみたいと思います。
「SIGMA 14-24㎜ F2.8 DG DN」をお持ちの方、
とりあえず買ってみても損はないかと思いますよ。