いやね、一昨年・昨年と行きたかったけど行けなかった場所があるんですよ。
今年こそは…と思っていたのですが結局お天気悪くて結局挑戦できず。
そんな失意の中、我々が向かったのは長野県戸隠に聳える「戸隠山」。
登ってみたらそんな悲しみが吹っ飛ぶくらい面白い山でした。
我々と書いている通り、今回はあの方と二人で出かけた戸隠山登山記をお送りいたします。
スポンサードリンク
今回の行程
10/28(月)
天気…晴れ
登山人数…二人(私・ジンさん)
鏡池(07:16)
↓
戸隠山登山口(08:00)
↓
百軒長屋(9:00)
↓
蟻の戸渡り(9:40)
↓
八方睨(10:04)
↓
戸隠山(10:31)
↓
九頭龍山(11:42)
↓
一不動避難小屋(12:35)
↓
登山口(14:44)
※今回のルートは「蟻の塔渡り」のほかにも「鎖場」などが多く存在するルートとなっています。
ご自身のスキルや体調等を考慮し安全登山をお願いいたします。
また、戸隠ではクマの出没が多くなっているためクマ対策もお忘れなきようお願いいたします。
今年こそ挑戦するつもりだったのに…
実はですね、私にはかれこれ二年間ほどどうしても行きたいと思っている場所があるんです。
それは「下ノ廊下」。
黒部ダムから富山へと仙人谷ダムまで南北に黒部川沿いを登っていくというそのルートは、
崖ありトンネルあり線路ありとまぁとにかくエキサイティング。
これはいつか絶対に行きたいぞ!とずっと心に秘めておりました。
そんな下ノ廊下、
今年の4月に丹沢表尾根を一緒に登山してくださった私の数少ないお山フレンズのおひとり、
Youtubeにてご活躍のジンさんも密かに狙っていたということで、
じゃあ秋に一緒に行こう!ということになっておりました。
Tweets by jiniiiiin twitter.com
それから月日は流れ、いよいよ決行間近!という時にに天気予報を見たら…なんとまぁ悲しみの雨。
とはいえ多少の小雨なら!とも思いましたが、下ノ廊下は難易度も高く危険個所も多い場所。
何より今年だけですでに4名もの方がお亡くなりになられているということもあり、残念ながら今年も挑戦を見送ることにしました。
すっかり意気消沈した我々でしたが、気を取り直して行けるところに行こう!ということになりジンさんが提案してくれたのが「戸隠山」でした。
先にお伝えしておくと、今回の登山がまぁ面白かった!
もちろんジンさんが一緒に行ってくれたことが一番大きいかと思うけど、
この戸隠山もなかなかエキサイティングな山でいつしか二人とも夢中になって登ってました。
そして紅葉も…とにかくいい時期に行けました!
そんなこんなの戸隠山登山、始まります。
【Day1】
戸隠キャンプ場
登山前日となる日曜日、やってきたのは長野県北部にある「戸隠」。
集合場所の戸隠キャンプ場に着くとすでにジンさんが待っててくれてました。
お会いするのは4月以来のなんと半年ぶり!
あまりにも会わな過ぎてジンさん車の色を忘れていた私は思わず色違いに乗り換えたの?なんてボケかましてしまいました。
ともあれ二日間お世話になります!
今回はここ戸隠キャンプ場にてテント泊をして翌日朝一番から戸隠山に登る計画です。
ちなみにこちらの戸隠キャンプ場には「ベースキャンププラン」という登山者にはおススメの宿泊プランが用意されています。
このプランの一番の利点はチェックアウト時間。
通常の場合、午前10:00がチェックアウトとなりますがこのプランの場合だとなんと17:00までと大幅に延長されます。
これにより朝から登山に出かけて下山するまでの間、荷物や車をキャンプ場に置いたままにできるというなんともうれしいプランとなってます。
プランは登山用テント(一人用ないし二人用)+駐車場代金(車一台)+オリジナルステッカーがついてなんとポッキリ3000円!
この周辺には戸隠山のほか、高妻山など魅力的な山が多く聳えています。
戸隠はアクセスが良いとは言えませんのでこのプランを活用されてみてもいいかもしれません。
https://www.togakusi.com/camp/
小雨降る中さっそく設営。
私はモンベルのステラ一型、そしてジンさんはなんとツェルト!
計量化を狙い最近はこれを使うことが多いのだそう。
曰く、出入りは大変だけど奥行きは長いので意外と快適とのことです。
軽さは魅力的だけどなかなか挑戦しがたい…。
その後、晩酌しつつのお話しタイム。
しかしまぁ普段のテント泊とは違い荷物の重量の心配をしなくていいというのはいいもので、
おかげでお酒やらおつまみをしこたま買い込んできた私。
久しぶりの再会ということで色々積もる話もあったころからついつい話とお酒が進み、
気が付いたら一人でワイン一本開けているという始末…。
翌日優しいジンさんは何も言っていなかったけど迷惑かけていないか超不安です。
スポンサードリンク
【Day2】
おはようございます…ということで4時に起床。
支度を整え5時に鏡池へと向かうことにしました。
ジンさんの計らいで登山の前にまずは写真を撮ることになりました。
戸隠山キャンプ場から鏡池は車で約15分程度。
私の車に乗り込み早朝の戸隠を走り抜けます。
登山開始
写真を撮り終えたらいよいよ登山開始。
車はこちらに停めてそのまま戸隠山へと歩いて進んでいきます。
鏡池駐車場→戸隠山登山口
鏡池を出発しまずは「戸隠山登山口」を目指します。
ちょっとした散歩コースのような感じで適度に整えられた道は非常に歩きやすいです。
ところどころには色づく木々の姿。
先へと進みたいけどついつい立ち止まってしまいます。
しかしさすが創建以来二千年という歴史を持つ戸隠神社があるエリア。
その周囲には小さな神社や祠、石像などなどあまり見かけないものが多くあり、
なにやら不思議な雰囲気を感じました。
そして紅葉もとてもきれいでした。
ちょうど見ごろの時期だったっぽく道中いろんなところで鮮やかな紅葉を見ることが出来ました。
鏡池を出て大体30分くらいで戸隠神社の参道とぶつかります。
ここから登山口まではこの参道を進みます。
戸隠といえばこれ!ともいえる左右に巨大な杉の木で挟まれた参道。
テレビでしか見たことがなかっただけにややテンション上がりました。
剱岳点の記でも出たような気がする。
一人ぶつくさ言いながら歩く私をジンさんが撮ってくれました。
私(身長174㎝)と比較すると杉の巨大さがわかるはず。
登山口手前あたりにあるのが最後のお手洗い。
後々恐怖のスポットがいくつも登場しますので、
一応よられることをおススメします。
この辺りまでくれば登山口はもうすぐそこです。
戸隠山登山口→百軒長屋
「戸隠山登山口」に到着。
ここからいよいよ登山が始まります。
なお写真にはありませんがここで登山届を出すことが可能です。
それと合わせてやや難コースである旨の注意看板がいくつか立ってました。
大丈夫か…?
登山口過ぎるといきなりやや急登が始まります。
先頭を行くジンさん、足取り軽やかに登っていきます。
昨日雨が降ったこともあり、落ち葉の上を歩くと滑ってしまうということが何度かありました。
前日雨の際はお気を付けください。
相変わらず紅葉がきれい。
そんな紅葉を撮るジンさんを撮る私。
動画も静止画もこなせるソニー機、いいですよね。
重量も軽そうで私も欲し…(ry
約一時間ほど歩いたところで見えてきた岩場。
さあ、ここからが本番です。
スポンサードリンク
百間長屋→蟻の戸渡り
「百閒長屋」に到着。
何故ここがこの名前で呼ばれているのか調べてみましたが出てこず。
なんでなんですかね?
そんな百閒長屋の先を見てみると…
なんということでしょう。
「下ノ廊下」に瓜二つではありませんか。
(※注:行ったことないのであくまでも想像)
憧れていた場所っぽいところに二人ともテンションUP。
浮かれる私の姿をジンさんが撮ってくれました。
本当だったら今頃いやというほどこんな感じを満喫していたのに…
とはいえ戸隠も面白いので全く問題なし。
ちなみにこの先は×印ある通り進入禁止です。
この先の険しそうな雰囲気を感じ取った我々はここでヘルメットを装着。
ちなみに私はグリベルのヘルメットを使用しています。
[asin:B07MB6B2PN:detail]
今回はこの片側にSonyのアクションカム FDR-X3000を取り付けたのですが、
まぁバランス悪いこと悪いこと、ってそりゃそうですよね…。
次回は取り付けとは反対側に重しなどを取り付けうまい事バランス取れるように調整したいと思います。
しばらく進みふと岩場の上を見上げるとなにやらお社っぽいものが用意されていました。
鎖もあるようで一応登れる…みたいだったけど、
私もジンさんもクライミング経験がないためここはスルー。
岩をよく見るとひっかけるやつがいくつか打ち込まれていました。
クライミングする方もいるのかな?
ここからは鎖場ゾーン突入。
最初のうちはそこまできつくはなかったのですが…
自分の体ぐらいの岩を超えたり…
傾斜もまぁだんだんときつくなってきたり…
ふと振り返ってみると何か見たことある景色。
なんか甲斐駒っぽくないですか?
今年も甲斐駒行きたかったんだけどなぁ…
そして極めつけはこの「胸突岩」。
ここはほぼ垂直の岩場が約10メートルくらい続きます。
とはいえ鎖も用意されていてまた足をかける場所もありますので落ち着いて進めば問題はないかと思います。
ただし三点支持などの基本的なスキルや自分の体を持ちあげられるほどの体力は必須です。
スキル的に不安を感じる方は無理に挑戦しないようにお気を付けください。
胸突岩を登る私。
どうです?結構急ではありませんか?
なおこの鎖場の中で一部にトラバースのある個所がありました。
ここが一番怖くて、私的には剱岳よりも断然こちらの方が恐怖を感じました。
トラバース部は足をかける個所も少なく、ちょっとした勇気も必要だったので本当に無理はなさらないようにしてくださいね。
そしてこの胸突岩を登り切れば…
スポンサードリンク
蟻の塔渡り→戸隠山山頂
ついにやってきました「蟻の塔渡り」の登場です。
蟻の塔渡りは蟻の戸渡りとも書かれているところもあり正直どちらが正しいのかわかりません。
まずはジンさんが挑戦。
後ろから見ると怖そうに見えましたが振り返ると気持ちいいくらいさわやかな笑顔。
フレッシュでいいなぁ~見てるだけで気持ちいいしなんか私もうれしいぞ。
そしてお次は私も挑戦。
初めのうちは怖くて立てない…なんて思ってたのですが、
これが意外と平気で試しに立ってみたところ行けました!
突然立ち上がった私に、
(これはこの人の最後の姿になるかも!?)と驚いたジンさんが撮ってくださったのが上の写真。
怖かったんだけど超楽しかった!
ちなみにこちらがその時ヘルメットに付けていたアクションカムで撮影した動画から切り出した映像です。
このように蟻の塔渡りの左右には何もありません。
足を踏み外したら…。
とはいえ下には紅葉が広がっていてこれがまぁとてもきれい。
怖いけどきれいだからついつい見てしまいます。
でもこわい。
反対側もまぁ綺麗。
本当はD850で撮りたかったのですが、
さすがにそれだと夢中になって落ちるかもと思い自粛しました。
で、この時撮った写真。
周り見渡すとなかなかの高度。
しかしながら紅葉がとてもきれいでホントに良い時期に行けました。
そして無事にわたり終えた私。
満面の笑みを浮かべるジンさん、ホントいい笑顔やで!
蟻の戸渡りを振り返るとこんな感じ。
これが登山道とは思えないビジュアルです。
ちなみに蟻の戸渡り行けなさそうな方はその横にエスケープルートが用意されています。
上の写真をよく見ていただくと左側に鎖があるかと思うのですがそれがそうです。
むしろそっちの方が怖いような気が…。
この後に連続して「剣の刃渡り」という個所が出てきますが、
蟻の塔渡りをクリアできればまぁ問題ないかと思います。
ただしこちらにはエスケープルートがないため避けては通れません。
ほぼ蟻の塔渡りと同様の形となりますので無理そうならここでやめた方がいいです。
これらを無事超えたらあとは進むのみ。
再びジンさんと先へと進みます。
山頂…と思いきや「八方睨」というところでした。
今思えば山頂よりもこちらの方が広く、お昼休憩など撮るのであればこちらの方がいいかもしれません。
八方睨には「西岳」への分岐がありました。
ちなみに西岳は今回のルート以上に険しいルートなんだそう。
山と高原地図だと点線になっているんですよね。
私が行くことは…あるのかな?
一応辺りには注意書きもありましたが、安易な気持ちで進むことは絶対におやめください。
この辺りから「高妻山」がとてもきれいに見ることが出来ました。
あちらの山も気になりますね。
いくつかのアップダウンの末、「戸隠山山頂」に到着。
標高は1904mとそこまで高くないとは集中した箇所が多く精神的に疲れました…。
お昼ご飯を食べつつしばらく休憩です。
スポンサードリンク
戸隠山山頂→一不動避難小屋
食事も終えてここからは下山開始です。
…といってもしばらくは稜線を歩いて進みます。
今回のルートはいわゆる周回ルート。
おそらく戸隠山登山されるかたのほとんどはこのルートで進まれるかと思います。
さすがに蟻の塔渡りを戻ったり胸突き岩を下ったりというのは危ない気がします。
二度目というのは事故も起こりやすいですからね…。
多少ガスったものの天気は終始快晴。
景色もよくあれこれ撮影が捗りました。
…とはいえここから一不動避難小屋までのルートというのがこれまた意外と長かった。
しかもいくつかの山を登っては下りというような感じで地味に疲れました。
そんなこんなで「九頭竜山」に到着。
先ほどの戸隠山山頂よりもさらに狭めの山頂でした。
戸隠山山頂から約2時間で無事に「一不動避難小屋」に到着。
いやー意外と長かったです。
一不動避難小屋→戸隠山登山口
皆さん気になる避難小屋の中はどうなっているのか?
ちゃんと拝見してきましたよ。
中は10~15人くらいは寝れそうな広さとなってました。
ブルーシートとポリタンク、それにハシゴが備え付けられています。
水に関しては5分ほど下ったところに石清水と書かれた箇所がありそこで確保可能です。
ただし飲料可能とは書いてませんので自己責任で…。
また避難小屋裏手にトイレと書かれた建物がありましたが中はどうなってるか不明です。
なお、こちらの一不動避難小屋はあくまでも本来の計画通りに随行できないなどの不測の事態から登山者を守るための施設です。
最初からここでの宿泊を考慮したルート設定等はなさらぬようにご注意ください。
避難小屋前には「高妻山」と「戸隠牧場」への分岐。
ちなみに後で知ったのですが高妻山は日本100名山の一つなんだそうです。
ここからさらに150分となるとなかなかの行程です。
戸隠山と高妻山両方を日帰りで登るのは…できるのか?
おそらく下山できぬ方がいたこともあり避難小屋が出来たのかもしれませんね。
我々は高妻山にはいかず、ここから「戸隠牧場」方面へと進みます。
登山「道」と書かれた道をどんどん下っていた我々だったんですが…
これどう見ても、小川やんか…。
しかも降りていくうちにどんどん水量が増していきました。
登山靴の撥水処理お忘れなく。
てっきりもう危険個所もないのかと思いきや、下山ルートにも数か所の鎖場がありました。
しかも上に書いた通り水の中を通ったりして登山靴もぬれた状態、かつ岩の上を通らなければなりません。
おまけに上の写真は落ち葉も加わりもはやリーチ状態。
天候や状況によって滑る危険性大なので通行には十分ご注意ください。
そんな個所を過ぎればあとは平坦な道に。
登山道だった川もいつの間にか横でちゃんと川として機能しています。
この辺りからの紅葉がとても綺麗でした。
周りには赤や黄色の葉があちこちに広がります。
この辺りからの速度は大幅に落ちてしまいましたが…
これじゃしょうがないよね。
山に登らずともこの辺りにまで来て一日写真を撮る…なんてのもいいかもしれません。
とてもよい紅葉でした。
なんて言ってるうちに「戸隠牧場」に到着です。
昨日テントを張った戸隠キャンプ場はこの牧場の少し下、
あとはそこまでのんびりと進んでいきます。
キャンプ場に着いたらテントを片付け撤収開始。
ジンさんのツェルトの撤収速度に驚きつつ無事片付けが終わりました。
ここからジンさん号にてスタート地点である鏡池へ向かいます。
鏡池に到着。
そして悲しいことにジンさんとはここでお別れです。
二日間ありがとう!おかえりお気をつけて!
その後、私も帰宅の途についたわけなんですがやはり戸隠は遠いですね。
そのまま南下して安曇野あたりまで進んだ私でしたが途中進んだ県道86号線というのがまぁ大変。
どう見ても農道な道をひたすら進み山を越えるというなかなかスリリングな道となってました。
おまけに日も落ちてきてさらにはガソリンも…とこの日一番ハラハラしたのは内緒です。
そんなこんなでしたが無事にさわやか県に着くことが出来ました。
疲れた…。
スポンサードリンク
「戸隠山」にはきちんと下調べの上挑戦されてください
ということでジンさんと戸隠山に登ってきました。
当初は蟻の塔渡りを見て行けるのか?と思いましたが、無事に行けてよかったです。
そして二人での登山がホントに楽しくて終始楽しい登山となりました。
良き山を見つけてくださり私にお付き合いいただいたジンさんには心より感謝です。
また山行こうね!
歩いてみて感じたのは蟻の塔渡り以外にも危険個所が多かったということでした。
上にも書きましたが鎖場のトラバースエリアや胸突岩は少しでも判断を間違えるとケガにつながる恐れがあります。
また周回ルート下山時には水量そこそこの川を進んだり、鎖があったり、正直なかなか気を抜けない個所がいくつもありました。
ご自身のスキルや体力をきちんと把握の上挑戦なさってください。
また前日の体調管理もお忘れなく。
ワイン一本飲んだと話したら二日酔いになったらどうするつもりだったんだ!と怒られました。
んん…確かに…、皆さん飲みすぎ注意でお願いします。
結局今年も下ノ廊下には挑戦できませんでしたが、来年こそは必ず行きたいと思います!
また一年間いろんな山に登って準備を整えましょう。
待ってろよ!下ノ廊下!