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登山やカメラなどなど

【登山】マイナーながらも絶景広がる「鬼ヶ岳」に登り富士山を撮りまくってきました

日本人のみならず海外の方にも大人気の山、富士山。
今回はそんな富士山を満喫できる隠れた穴場の山に登り、
そのお姿をがっつりとカメラに収めてきました。
写真も登山も楽しみたいというわがままな方にオススメです。


今回の行程




2019/2/17(日)

天気:快晴
登山人数:1人


西湖 根場浜 駐車場
  ↓
鬼ヶ岳登山口
  ↓
東入川堰堤広場
  ↓
ブナ原生林
  ↓
 お花畑  
  ↓
雪頭ヶ岳山頂
  ↓
 鬼ヶ岳
  ↓
 鍵掛峠
  ↓
いやしの里根場
  ↓
西湖 根場浜 駐車場




http://www.movescount.com/ja/moves/move270541647www.movescount.com




日帰り登山と写真撮影

私の腕のせいなのかもしれませんが…
日帰り登山時に満足いく写真が撮れた試しがありません。
それはもちろん一番取れ高の期待できる時間であるマジックアワーやらブルーアワーやらに山で活動出来ないというのも理由の一つなのですが、
一番の理由は「行動時間の短さ」です。



その日のうちに登り、その日のうちに下山をしなければならないというのは正直かなり慌ただしいものです。
しかもよい風景のある山というのは大体が行動時間もそこそこあるコースばかり。
私の様に三脚を立ててのんびりと一枚一枚撮るなんてことをしていると行程に支障が出てしまい、
また逆に行動時間を気にしてると写真を撮る暇もない…。



さらにそれが自宅からかなり離れている場所、
しかも翌日仕事となると今度は帰宅までの時間なども頭に入れなければなりません。
いやはや日帰りはとにかく時間がない。
下界に降りたら時間はあるけどお金がない、なんつって。



とまぁ私自身がこう思っているからなのか、
日帰り登山で撮った写真を見返してもうーん…と思ってしまうものばかり。
いっそのこと思い切って日帰り時はカメラおいていったほうがいいんじゃないか?
なんて少し思ってしまうんですけど、それもなかなかの勇気がいるわけなんですよね。
もしくは装備を軽くして行動時間短縮を狙ってみるか…いやはや、登山は考えることが多いですね。



そんな今回は写真メインの登山をしてみようということで行動時間短めかつ絶景の広がる山に登ってみました。
狙うはみんな大好きな被写体富士山。
そんな富士山をがっつり拝める穴場の山「鬼ヶ岳」に登ってきました。





早く着きすぎたので早速撮影



ということでやってきたのは山梨県は西湖のほとり。
「西湖 根場浜駐車場」というところです。



丁度日の出の時刻ぐらいに着くようにと車を走らせてきたはずが到着すると空には満点の星…。
ってまだ完全に夜じゃねーか。
いやはや思ったよりも早く着いてしまいました。



仕方なく車の中でAmazonでも眺めようかとも思いましたがここは西湖。
折角来たことだしまた星も広がっているということで久しぶりに星を撮ろうと思い立ちました。



気温はおそらくマイナス一桁台ですがそこまで寒くありません。
早速カメラと三脚を持って西湖のほとりへと向かいます。





DSC_3583

あまり考えずに撮影してしまいましたがとりあえずピントが合っていてよかった。
ここ西湖は富士山と湖を入れて撮ることが出来る場所で有名なスポットです。
夏場であれは周辺に光源も少なく星撮に最適です。
冬はスキー場が近くにあり、オールナイト営業しちゃうときもあるのでこの時期は微妙です。


そんなこの場所で久しぶりの星撮り。
やはり朝方ということで若干空が明るく星の姿もやや寂し気ではありましたが、私自身久しぶりの星撮りということでかなり楽しく撮れました。
やはりこの撮れるまでわからないというこの工程がとても楽しい。
来月は天の川に挑戦しようかな?






DSC_3605

段々と空が明るくなると同時に富士山にかかっていた雲が段々と晴れてきました。
長時間露光でわざと湖をのっぺりとしていますが実際には澄んでるくらいきれいです。



このまま撮影を楽しみたかったのですが今回の目的は登山。
若干後ろ髪惹かれながらも撮影を切り上げ登山の支度をはじめます。





今回のザックは日帰り用の30ℓ「カリマーリッジ30」です。
正直フルサイズ機でこのサイズはパンパン過ぎるので40ℓを買い増したいです。



今回は写真もがっつり撮りたい!ということで三脚も持っていきます。
携行する三脚はもちろんLeofoto 「LS-324C」です。


ちなみに最近TwitterにてLeofoto先生と命名いただいたおかげで、先日の飲み会でも速攻話題にしていただけました本当にありがとうございます。
Leofoto製品は気に入ってるので今後も色んなとこで使ってくつもりです。



あとはチェーンスパイクに山専ボトルにダウンや雨具、防寒着などなど。
レンズは「NIKKOR 24-70㎜ f/2.8E ED VR」「TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di VC USD 」
なんやかんやで合計で約16㎏でした。




[asin:B07BN343YN:detail]
[asin:B07HQ7SX7R:detail]






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鬼ヶ岳登山道入り口スタート

準備も済ませいざスタートです。







おそらく目の前の山が鬼ヶ岳…のはず。
スタート時の標高は約900m。
山頂の標高は1738mとその高低差は約800mです。
ちなみに私がこの山に登るのは2度目です。
実は前回登った時も記事にしたですが、
再び見返すとこりゃやばいなクォリティだったのであえてリンクは貼りません。





まずは「東入川堰堤広場」というところを目指しますが、スタート地点から約500mという近さなので目印とするのは微妙かも。
しかもいつ通り過ぎたかわかりませんでした。





コース自体は整備されているところもあればされていないところもある感じです。
とはいえ歩きづらい場所などはなく特に気になる危険個所もありませんでした。
微妙にルートがわかり辛い場所などがあるのでご注意を。





段々と青空が近づいてきました。
どうもこの辺りは尾根になっているらしく、北からの風が強く吹き付けてきてとても寒かったです。
樹林帯だからといってあなどるべからず。
今回のように時間が早いと日も当たらずなおのこと寒さを感じます。





「ブナ原生林」という場所に到着。
ブナの原生林でおなじみのこの場所。
正直特に変わった様子はなかったので写真はこれだけです。



そんなブナ原生林を過ぎたあたりから山を回りこむような形の登山道となりました。
その方向はあの山がある方向。
お待たせしました、皆さんが大好きなあの山の登場です。





見えました「富士山」です。
静岡県民の私としては毎日見ているが故、そこまで驚きもないのですが、それでもやっぱ姿が見えるとついつい足を止めてしまいます。
宝永山の姿がないのに違和感を感じるあたりさすがはさわやか県民って感じです。





そんな富士山を背に先へと進むとなにやらロープのご用意が。
鬼ヶ岳はあの有名なエキサイティン登山でおなじみの十二ヶ岳のお隣です。
そのためこういった箇所がいくつか用意されています。
とはいえこの辺りはそこまで大したこともなく、ロープなどは使わなくとも全く問題ありませんでした。


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思わずスルーしちゃいそうな「雪頭ヶ岳」へ

歩くこと数分で「雪頭ヶ岳」山頂に到着。
山頂っていうと山頂碑というのでしょうか?あの山の名前と標高書いてあるやつあるじゃないですか?
ここ、雪頭ヶ岳にはそんなものは存在しません。
これがどう見ても案内看板にしか見えないわけでして…
登頂したことに気が付かないなんてことがしばしばありそうです。
そろそろ作ってみてはどうでしょうか、山梨県さま。



そんな雪頭ヶ岳ですが、この場所も今回の目的地の一つでした。
実はここからの景色というのが…



まぁ絶景なのです。
丁度この辺りは木々がなく眼下に広がる西湖を望むことが出来ます。
その先には富士山が聳え立ちまさに富士山とその周辺の風景を存分に楽しむことが出来ちゃうんです。



これだけ富士山丸見えの状態で外国の人ならきっと泣いて喜ぶんじゃないかってくらい富士山をまるっと見ることが出来ます。



実は今回の登山にはもう一つ目的がありました
今年の初めに導入した超広角レンズ用であるNiSiの「角型フィルター」。
この機材を登山に携行するためのテスト登山を前々からしてみたいと考えていたんです。



角型フィルターは一枚一枚が150㎜四方のガラス。
そのため登山に持っていくときなども携行方法を考えないと大変なことに…
そんな悲劇を回避すべく今回は試しに持ってきてみたというわけなのです。
結果、純正ケースがかなり頑丈なようでそこまで気を使わなくとも割れませんでした。
ただしなるべく柔らかいもの同士の間に入れ込んであげるなどの工夫をしたほうが安全性は向上するかと思います。
今後も携行方法についてはあれこれ模索していきたいなと考えてます。

[asin:B074MQ1HTC:detail]






DSC_3644

そんな角型フィルターを使用して撮影したのがこの微妙な一枚。
うーん…太陽を入れようとしたせいで地面が少なくなってしまい何ともアンバランス。
太陽がさらに登るのを待ってから思い切って太陽無しで撮ったほうがよかったですね。
もっと地面を入れろよって思いました。
また思ったよりも雲少なく、あまり長時間露光の意味がないような…って感じです。
うん微妙。





とはいえこの日はまだまだ行動時間に余裕があります。
ここはもう少し雲が出るまで待つか…ということでしばしおにぎりタイム。
私の大好きなお赤飯を食べましたが寒くて硬くあまりおいしくありませんでした…
さらに残念なことに…






雲出すぎじゃね?
そうなんです。結局雲が出すぎてしまい富士山をすっぽりと包んでしまったのです。
その後しばらく待つも状況は改善せず。
仕方なくここでの撮影を諦め先へと進むことにしました。


ここから先へと進むと、本日の最高地点である「鬼ヶ岳」です。
雪頭ヶ岳から鬼ヶ岳は一度降りてまた登る…
って感じの道となるのですがこの間にはまだ雪がそこそこ残っている状態でした。
私は靴のまま進みましたがあまり自信のない方はチェーンスパイクなどつけたほうがよさそうです。





そんなやや危険個所を過ぎたあたりにはこの梯子の姿。
これを登れば山頂はもうすぐです。
高所恐怖症の方はご注意を。


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「鬼ヶ岳」登頂

そして「鬼ヶ岳」に登頂。
先ほどと違ってこちらにはちゃんと山頂の看板が用意されています。
標高は1738mとそこまで高くはありませんが、周りが開けているのでなかなかの高度感を味わえます。





そんな看板の奥に見えるは南アルプス
右手に見えるは鳳凰三山でしょうか?
鳳凰三山の雪の少なさに驚きます。





北を向けば八ヶ岳の姿。
眼下には甲府の街並みが広がります。
どうやら今年の冬は間もなく終わりを迎えるようですが、果たしてそれまでに雪山に行けるのかしら…。
せめて天狗岳には挑戦したい。





さてさてそんな絶景広がる鬼ヶ岳ですが、そんな名前の由来となったのがこちらの大岩です。
この岩の形が鬼の角のようだからという理由で「鬼ヶ岳」となったのだそう。
とはいえどうにも私には、あの東京銘菓こと「ひよこ」にしか見えない。
いっそのことひよこ岳のほうが女子受けするんじゃないかななんて思いながら眺めとりました。
多分以前も同じこと思ったような気がする。

[asin:B014DKGVPU:detail]





ふと富士山方面を見てみたら雲が晴れてきていました。
再び三脚を取り出しカメラを構えます。
画角的に超広角じゃないなぁと判断し「NIKKOR 24-70㎜ f/2.8E ED VR」で撮影します。






先ほど通ってきた「雪頭ヶ岳」と富士山を一緒にしてみました。
本当は白い雪と所々の木々に残る緑がとてもきれいだったのですが逆光のせいかうまく色が出せませんでした。
よっしゃそれならHDRで現像をと思ったら先ほど長時間露光にしていたせいでブラケットOFFの状態…。
こういううっかりミスが多く相変わらずのへっぽこ具合です。





DSC_3806

そうこうしているうちに富士山の周りの雲が面白くなってきました。
とはいえ望遠端70㎜ではやや物足りず、DXクロップを使用して富士山だけにフォーカスを当てました。
DXクロップは×1.5となるので望遠端は105㎜相当となります。



さらにND1000とND64を重ね合わせて長時間露光してみたら結果撮れたのがこちら。
雲の動きがとても面白くちょっと変わった感じで撮れました。



FX機は重たいけどいざというときにDXクロップ使えるので重宝します。
使うと画素数落ちるけどD850の場合はそれでも2000万画素もあるので必要十分です。
レンズを多く持ち歩けない登山時には大変重宝する、そんな機能です。


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帰りは「鍵掛峠」から

結局山頂にて1時間半くらい写真を撮っていました。
とはいえ長時間露光メインだったので枚数は少な目。
長時間露光はほんと贅沢な撮り方だなといつも思います。



大分体が冷えてしまったのと、再び富士山方面がガスッて来たのでそろそろ下山することにしました。
とはいえ帰りも行きと同じでは面白くない…ということで、帰りは「鍵掛峠」を回って下山することに。






そんな「鍵掛峠」方面の道を見てみると明らかに残雪の姿が。
写真では大したことありませんが実はここは下りとなっています。
ここをそのまままま進むと滑ってクールランニングしちゃいそうな雰囲気が…。




ということでここでチェーンスパイクを装備。
冬山でも残雪期でも持っていて損はないお守りアイテム。
値段も5000円程度で購入出来るのでお持ちでない方はぜひご検討下さい。
ちなみに私はモンベルのものを使用しています。



余談ですがモンベルのチェーンスパイク、今まではサイズによって色が異なっていましたが今年からすべて同じ色(グレー)になったっぽいです。
最近お連れ様が購入したのですがグレーカッコよかったなぁ…。


[asin:B01MQSXP6D:detail]





しばらくは尾根を歩いていきます。
この辺りは日が当たらないのか残雪の姿がちらほらありました。
12本ほどの装備は必要なく、チェーンスパイク程度の装備で十分でした。
約15分くらい進んだあたりで雪の姿がなくなりました。
チェーンスパイクを外して再び歩き始めます。





しかしながらこちらのルートも十二ヶ岳のDNAを引き継いでおりました。
途中途中で大きな岩があったり、そこそこ下らされたりとなかなかエキサイティン。
危険ではありませんがいかんせん滑ったら止まらなさそうな場所ばかりなので気を抜かず慎重に。





横を向けば再び富士山の姿。
よそ見しないように!




「鍵掛峠」着

歩くこと40分くらいで「鍵掛峠」に到着しました。
鬼ヶ岳からここまでが意外と長く、あれ?道間違えたかと若干焦りましたが看板を見つけてほっとしました。





あとはここから下山するのみです。
ここからのルートは今回の登山のなかで一番歩きやすかったです。




とはいえ途中には登山道が土砂崩れで流されている場所や、登山道をふさぐ木などがあったりするのでご注意を。






入山者への登山口案内看板の姿がありました。
とりあえず一安心です。


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あれ?下りる時代間違えた?感のある「いやしの里」

あとは車まで戻るだけ…なのですが、なんだか様子がおかしいです。
よく見るとなんとからぶき屋根の家が数件並んでいるではありませんか。
やべえ…、下山してるうちに間違えて時代超越しちゃった?





…なんてことはなく実はここは「いやしの里」とという観光スポットでした。
何度か西湖付近を訪れている私でしたがここの存在は知りませんでした。
確かに看板は見たことあるような…



ここは昔のこの辺りの風景を後世に伝えるべく建物を復元して観光地としたスポットです。
計23棟のからぶき屋根の建物が並ぶ姿はなかなか絵になります。
富士山とからぶき屋根とかなかなか素敵ですよね。



ちなみに登山道からさくっと入れちゃいますが入園料がかかるのでご注意を。


http://fujisan.ne.jp/iyashi/fujisan.ne.jp





いやしの里をまっすぐ南に進めば国道に到達します。
あとは道なりに河口湖方面へと少し進めばOK。





そしてスタート地点である「西湖 根場浜駐車場」に到着です。
お疲れさまでした!

富士山撮影をメインとする登山であればおススメのコース

DSC_3806

ということで今回は「鬼ヶ岳」に登ってきました。
今回の写真撮影を除いた行動時間は約4時間、とはいえその行動時間以上に絶景を満喫できたなと思いました。
行きのルートをピストンで進めばおそらく3時間かからない程度の時間で往復できそうです。
登山目的の方であれば鬼ヶ岳から十二ヶ岳方面へ進んで毛無山まで出ることも可能です。
また鍵掛峠から王岳方面に抜けるものなかなか楽しいかも。



ルート自体は特別危険個所などもなかったように感じますが、
やはり十二ヶ岳近くということでそれっぽいところもいくつかはありました。
また今の時期は雪も少し残っているので登山始めたての方はいきなりここではないほうがいいかも。
またもう少し暖かくなってからのほうがよいかもしれません。



思ったよりも写真を撮ることが出来たのでなかなか満足度の高い登山となりました。
機会あればもう少し早い時間から登り初めて富士山など撮ってみようかなと思います。
「鬼ヶ岳」はがっつり富士山みたいぞ!って方におススメの山でした。