8月13日にペルセウス座流星群は極大を迎えます。
普段はあまり星が見えない地域にお住いの方も、
お盆休みの外出先で思わぬ星空に遭遇…なんてこともあるかもしれませんね。
実は以前「星を撮ろうぜ!」という記事を何度か書いたのですが、
いざ撮影に行こうというところでしばらく天気が悪くなってしまい結局そのまま未完の状態…
また内容も長かったので今回は準備から撮影までを一記事にまとめてみました。
これさえ読めばあなたも星空の撮影が出来るはず。
…ということで、どうです?お盆に星空を撮影してみませんか?
準備編
用意するもの
まずは撮影に当たり必要となるものがこちらです。
・カメラ(マニュアルモード搭載機)
・三脚
・ライト
・暖かい服装(場所によっては)
・レリーズ(なければセルフタイマーで代用可)
【カメラ】
星を撮影するためにはISO感度・シャッタースピード・絞りを自由に変えられるマニュアル撮影モードに対応したカメラが必要です。
また最近のコンパクトデジカメには星空撮影モードなんてのもあるみたいなのでとりあえずお手持ちのカメラを確認してみましょう。
ここではデジタル一眼レフを使用した撮影方法について解説していきます。

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【三脚】
星を撮るときには「長時間露光」という撮影方法を行う必要があります。
とても簡単に説明すると「カメラを動かさず数十秒間じっとさせて」おく必要があるのです。
カメラを固定する一番簡単な方法は三脚を使用すること。
お持ちのカメラを支えられるものをご用意ください。

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【ライト】
星を撮る=夜間行動となるわけなので用意しておきましょう。
ヘッデンだと両手もふさがらないのでおススメです。
私が登山や夜間撮影時に使っているものは2年前にAmazonで2000円ほどで購入したのですが、
未だにノントラブルで使用できてます。
災害などのもしもの時にも使える代物ですのでおひとつ持っててもいいかもしれませんね。

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【暖かい服装】
そして最後は服装。
場所によっては夏なのに寒いところもありますので念の為防寒対策をされるといいかも。
余談ですが、先週の北アルプス鹿島槍ヶ岳直下の冷池山荘で過ごした夜は夏とは思えぬ寒さでした。
標高高いところにお出かけの際はご注意ください。
【レリーズ】
なくてもいいけどあったら便利なのがこの「レリーズ」です。
レリーズとは簡単に説明すると外部接続型シャッターボタンのこと。
集合写真でカメラ屋さんが片手にもって押すと写真が撮れるあれです。
星空撮影時にはこれを手振れを防止するために使用します。
必ずしも必要というわけではなく、ない場合はセルフタイマーを活用すれば問題ありません。
カメラ設定編
ここからはデジタル一眼レフカメラを例にして設定内容を書いていきます。
明るいうちに操作方法を確認しておくことをおススメします。
モードは「マニュアル(M)」
星を撮る時は「マニュアルモード」を選択しましょう。
これは、星を撮る時は「シャッタースピード」と「絞り」の両方を任意で変える必要があるためです。
お手持ちのカメラのマニュアルモードでの撮影が可能かどうかを確認してください。
どのメーカーもだいたい「M」という表記のはずです。
ピントも「マニュアル(MF)」
星に対してオートフォーカスでピントを合わせようと合うことはありません。
モードと同様にレンズもマニュアルで操作できるよう設定を変更します。
事前にピントリングでのピント調節方法も覚えておきましょう。
ISO感度は「ISO3200~6400」
「光に対する敏感さ」を表すISO感度も変更出来るように操作方法を確認しておきましょう。
私の場合概ねISO3200~6400程度の間を使用することが多いです。
ただし使用しているカメラのセンササイズや撮影場所によって変更する必要がありますので、
まずは暗いところでも確実に変更できるようにしておくことをおススメします。
また上げ過ぎるとノイズが乗ってしまいますのでご注意を。
シャッタースピードは「10~15秒」
シャッタースピードは「シャッターを開いてから閉じるまでの時間」のこと。
シャッターが長く開けているほど星ははっきりと映りますが、
撮影中に星が動いてしまい線になってしまうので注意が必要です。
実用的な範囲だと10~15秒程度がおススメですがISO感度の兼ね合いもありますのでこの限りではありません。
大体13秒を過ぎると星は流れ始める印象です。
絞りは開放
レンズの明るさを表す「絞り」ですが、これは一番小さい数字となるように設定しておきます。
「F〇.〇」という数字のことです。
開放から一段絞って使うと解像度得られるなんていう話もありますが、
キットレンズでは最小値でも暗い場合があるためここは考えずに開放をおススメします。
レリーズがない場合はセルフタイマーを使おう
「レリーズ」をお持ちでない方は「セルフタイマー」を活用しましょう。
時間は2~5秒程度でいいと思います。
これにより手振れを防止することが出来ます。
撮影編
①星の見えるところへ行こう
まずは星が見えるところまで移動します。
山の上などの標高の高いところのほうが星は良く見えます。
出先のお天気が気になるという方は、「SCW」を使うのがおススメです。
スーパーコンピューターによる天気予報予想を見ることが出来ます。
これによりお出かけ時間時のお天気が確認できちゃいます。
ただしあくまでも予想なのでご注意ください。
②三脚とカメラを設置しよう
良さそうな場所に着いたら三脚とカメラを設置します。
場所によっては暗く周囲が見づらい場合もありますので、
そんな時はライトを活用してください。
ただし周りに星を撮影されている方がいたらライトの多用は厳禁です。
一瞬つけただけでもその光がカメラに取り込まれ撮影結果に影響されてしまうのです。
トラブル防止のためにもご注意ください。
また目に優しい赤い光の出るライトがあればこちらがよりおススメです。
③星にピントを合わせるには?
設定編にてご紹介した設定内容は事前に設定することが可能ですが、
唯一「ピント合わせ」のみ現地で設定しなければなりません。
おススメなのが「ライブビュー画面を拡大して調節する」方法です。
まずは自分の先1~2km以上のところに街頭や明るい星がないか探してください。
見つかったらそれをデジタルカメラのライブビューモニタに表示します。
さらにその明かりの部分が大きくなるように拡大をしていき、この状態でピントが合うように調節します。
これにより「無限遠」状態に設定することが出来ます。
この状態で星を撮影すれば全域にピントが合う写真が撮れるはずです。
ただし撮影しているうちにピントが緩んできたりすることもありますので、
ちょこちょこピントを確認することをおススメします。
慣れてきたら天の川撮影に挑戦!
また天の川の撮影方法も基本的には同じです。
天の川の場合はISO感度をちょっと高めにしてあげるのがポイント。
そうすると上のような写真を撮ることが出来ます。
問題なのは天の川の見つけ方なのですが、
肉眼だとなんとなく雲のような霞がかったそんなもやもやな感じで見えます。
ただし標高が高く空気が澄んでいる状態でないとそれも見えないので、
どちらかというと撮るよりも探すほうが大変かも…。
そのため天の川は季節によって見える方角が決まっているので事前に調べておくことをおススメします。
ちなみに今の時期は20時ごろに南東から南南東方向に挙がっています。
あれはもしや!と思ったらまずは撮影してみるといいと思います。
初めて自分のカメラに天の川が映った時はとても感動しましたよ!
まとめ
ということで星空撮影の要点をまとめてみます。
・モードはマニュアルモード
・ピント合わせもマニュアル操作
・ISO感度は3200~6400
・シャッタースピードは10~15秒
・絞り(F〇)は最小に
・レリーズまたはセルフタイマーを使う
・ピントはライブビューで一番明るい星を表示し拡大しながら合わせる
・撮影結果から設定を見直し満足いくまで撮影しよう
星空撮影はは難しくなく、きちんと操作方法が理解できていれば誰でも撮影することが可能です。
おそらく皆さんが苦戦するのは「ピントの合わせ方」だと思いますが、
上に書いたライブビューを利用した方法だと手軽に調整できるのでおススメです。
またミラーレスカメラや一部一眼レフに搭載されている「フォーカスピーキング」という機能を使えば、
ピントの合照箇所の色を変えて知らせたりしてくれるのでこういった機能を使うのもいいかもしれませんね。
帰省先や旅行先で星空を目にした際など、一緒に写真に残してみてはいかがでしょうか?
でもあまり写真に夢中になってしまってはもったいないので自分の目に焼き付けることも忘れずに。
それでは皆様、よいお盆休みをお過ごしください。