夜間撮影の秘密兵器、レンズヒーターを作成してみました。
先日撮影に出かけたとき、一時間ほどライブコンポジット撮影を行っていたところ…レンズが結露。
しかも気温は-4℃。レンズ表面は結露が進化してシャーベット状になってしまいました。
上の写真を撮り終えた後に撮った写真。もう何も見えません…。
そもそもなんで結露が起こるのかというと…、
「冷たい物体の表面に水蒸気を含んだ空気が触れるとその空気の温度が下がる。
↓
温度が下がると飽和水蒸気量が減るためその部分の湿度が100%以上になり水蒸気が凝結して物体の表面上で水滴となります。
↓
これが結露現象。
要は湿度がある限り起こってしまうんですね。日本国内は温暖湿潤なので、対策しないとどうしようもないようです。
しかも、結露=水。レンズ表面ならまだしも、内部でカビに進化してしまうと…これは大変です。
対策としてはレンズ部分を温めてあげる「レンズヒーター」を巻いてあげることが一番メジャーだそうです。
このレンズヒーター、販売されている方もいるのですが、約3000~5000円くらいと微妙いいお値段…。
ネットでいろいろと調べていると、どうやら簡単に自作ができそうなことがわかり、今回挑戦してみました。
【用意するもの】
(左上から)
・ロッドベルト
・熱収縮チューブ(φ4)
・熱収縮チューブ(φ3)
・耐熱両面テープ
・電線0.3mm²(二芯)
・ニクロム線(300W)
・モレックスコネクタ(写ってないけどピン)
・電子工作用はんだ
・ファスナーテープ
・USB充電用ケーブル
【使用した工具】
ニッパーとかテスタとか…そんな感じです。
①計算する
まずは使用する電源を調べます。
私の場合、家にあったPanasonicのモバイルバッテリーを使用しました。
裏面を見ると、
出力DC5V、最大電流1.5Aとなってます。
オームの法則を使って計算しましょう。
出力の5Vは固定ですが、電流値は抵抗の値によって変わってきます。
最大電流値の1.5Aを超えないように抵抗値を決めてあげます。
ちなみに、
電流値大→ホカホカになるけど電池消耗激しい=短距離選手
電流値小→ぬくぬくで電池長持ち =長距離選手
となります。
今回は外気温以上の温度となればよいので、電流量は少ない方、大体0.5A程度になるように作成しました。
V=5V、I=0.5Aとすると、Rの値は…
R=V÷Iより、5÷0.5=10Ωとなります。
ということで、今回は抵抗値が10Ωとなる長さでニクロム線を使用します。
②ニクロム線を伸ばす
計算が終わったところで、ニクロム線が10Ωとなるところで切断をします。
伸ばしてある程度のところでテスタを当てて測る…これを繰り返しました。
なるべくニクロム線がまっすぐになるように伸ばしてあげると後々楽ちんです。
③両面テープに張り付ける
ニクロム線を両面テープに貼り付けます。
線同士が当たらないように注意します。
押し付けながらゆっくりと貼り付けるとやりやすいですが、正直やりづらいです。
上手くできてない言い訳です、はい。
(この後やりなおしました…)
完了したらその上から両面テープを貼ってサンドイッチします。
絶縁の意味もありますのでしっかりと貼ります。
④ロッドベルトを加工する
用意したロッドベルトを加工します。
ちなみに、ただのマジックテープでも問題ありません。
見た目もよさげ、かつ安心の性能をということでロッドベルトを使用してみました。
ちなみに、人生で初めて釣り具店で買ったものがこれ。
安心のシマノ製です。
穴をあけて0.3mm²の配線を通してあげます。
⑤配線をつなぎこむ
先ほど通した配線とニクロム線をはんだ付けします。
完了したらニクロム線を貼った両面テープをロッドベルトに貼り付けます。
はんだ付けした部分もしっかり絶縁してあげます。
⑥ファスナーテープを貼り付け・配線を仕上げる
ニクロム線を貼った両面テープの上にファスナーテープの柔らかいほうを貼り付けてあげます。
なくても問題ありませんが、見た目とレンズへの傷つき防止のために貼り付けました。
最後に0.3mm²の配線、用意したUSBケーブルをコネクタ化します。
USBケーブルは充電専用だとケーブルが二本しかありませんのでこちらを使用すると簡単です。
無理にコネクタ化をする必要もありませんのでこの辺りはお好きなようでよいかと思います。
⑦完成!
以上で完成です。
使用前に長時間の動作テストをしてから現場で使用しましょう。
これで夜間撮影もばっちり!なはず。
あとは腕の問題か…
ともあれしばらく使用してみます。
OLYMPUS E-M5 Mark2 星景 写真 レンズヒーター 自作 USB 7-14mm 12-40mm F2.8 PRO マンフロット