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登山やカメラなどなど

【撮影】どうだい?そろそろ星でも撮ってみないかい?(その②)

撮ろうぜ!
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複数回に分けてお送りする予定?のこの記事。
第3回目の今回は星撮りに適した場所や撮影日選定の注意点など書いていきます。
なお、撮影方法に関しては普段私が撮影しているやり方をそこまま記載しております故、
多少おかしなところもあるかもしれませんがご了承ください。
とはいえとりあえず撮れてはいるので同じようにやっていただければ撮れるかと…

それじゃあ…みんな!星撮ってみようぜ!

出かける前に操作方法を確認しておこう!

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ということで今回はカメラ操作&設定編です。
とはいえ、細かな設定は現地で調整することが多いので、
どちらかというときちんとカメラ操作ができるかを確認しておくというのが今回の目的。

普段の撮影ならまだしも星撮りは夜間行動、
また時期によっては手袋などの防寒着をはめた状態での操作が求められるため、
事前に設定方法を覚えておく必要があります。
今回は星撮りに必要な項目を挙げて行きますので、
現地で迷わず操作できるように練習をしてみましょう!

私はNIKONのカメラを使用しておりますので操作方法などもこのカメラを使って説明していきます。
用語など他メーカーでは多少異なるかと思いますが、
似たような項目を探したうえで操作を行ってください。




モードは「マニュアル」一択!

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まずはカメラのモードについてです。
星を撮る時は「マニュアルモード」を選択しましょう。
これは、星を撮る時はシャッタースピード」と「絞り」の両方を任意で変える必要があるためです。
まずはお手持ちのカメラがマニュアルモードでの撮影が可能かどうかを確認してください。
どのメーカーもだいたい「M」という表記のはずです。

また、ピント調節もマニュアルにて調節する必要があります。
星空を撮るということは夜、すなわちAF(オートフォーカス)でのピント合わせは不可能だと思ってください。
潔くすべてマニュアルでがんばりましょう。
では早速星を撮るときに設定すべき項目を確認しておきましょう。



ISO感度

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まず確認しておきたいのがISO感度の変更方法。
ISO感度って一概に読んでますが説明すると難しいですよね。
私が知らない人に説明する場合は「光に対する敏感さ」とよく言っています。

ISO感度の数値が低い=光に鈍感=光を長い時間当てないと映らない
ISO感度の数値が高い=光に敏感=光を短時間当てるだけで映る

こんな感じで説明してます。
すなわち星を撮影するときはISO感度が高いほど多くの星を映すことが出来るんです。
実は夜空には私たち人間の目に見えない星空も輝いているんです。
ISO感度をあげることによってそんな星々も映し出すことができてしまいます。

こんなISO感度、じゃあどんどんあげちゃえばいいやん!と思うところですが難点が一つあります。
それはISO感度が高くなるほどノイズが発生しやすくなる」ということ。
暗いところで撮った写真がなんだかザラザラしてるなんて経験はありませんか?そいつが噂のノイズです。

ノイズには大きく分けて高感度ノイズと長時間ノイズの二通りがあります。
星撮りの場合に影響を及ぼすのは前者の方です。

前述の通り、ISO感度を挙げると少ない時間で光を取り込むことが可能になります。
でもこれってどうやって取り込んでるか知ってます?
実はこれ、取り込んだ光を電気的に無理やり増幅させてあげてるんです。
その際にいろんなところから影響を受けノイズが発生し、それが画質に影響してきます。
ノイズはISO感度を上げれば上げるほど多く見られる傾向にあります。
また、センササイズによっても発生量が変わります。
センササイズが大きいほどノイズは出にくく、逆に小さいほど低いISO感度でも発生しやすくなります。
個人的な感覚ですが、
マイクロフォーサーズだとISO1600、フルサイズだとISO6400くらいが星撮りでの限界かなと感じてます。

星撮り時には様々な設定で撮影をすることをおススメします。
そのためまずはISO感度の替え方をしっかり覚えておきましょう。


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シャッタースピード

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ISO感度の次はシャッタースピードの替え方を確認しましょう。
シャッタースピードは「シャッターを閉じてから開くまでの時間」のこと。
この時間が短ければ短いほど光を取り込む量が少なく、
逆に時間が長ければ長いほど光を多く取り込むことが出来ます

…なんだかISO感度と似てますね。

確かにシャッターを長く開けているほど星ははっきりと映りますが、一つ難点があります。
それは「撮影中に星が動いてしまい線になってしまう」のです。


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まずはこちらの写真をご覧ください。
これは私がオリンパスのカメラ時代に撮影した写真です。
当時は満足してましたが今見ると星が少ないですね…
この時はISO1600、シャッタースピード15秒で撮影しました。
では今度はIシャッタースピードだけ30秒にしてみましょう。
すると…?



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なんと星が線の様になっているではありませんか!
そうなんです、星の動きって思ったよりも早くて30秒も開いていると、
このように星が流れて映ってしまうんです。
正確には星が動いているわけでなく動いているのは地球のほうなのですが、
まるで星が動いているように見えてしまいますね。

このように星をはっきりと写すためにはシャッタースピードを長く設定したいのですが、
あまり長すぎると今度は星が線の様になってしまう
撮影時はこの間をうまく狙い設定を行う必要があるんです。
うーん、なかなか厳しいですね。


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ちなみに、そんな星が線の様になることを逆に利用して撮影するのが、
「比較名合成(コンポジット)」という手法。
これは点で撮った複数枚の星の写真を合成して線にしてしまうという撮影方法です。
大体のカメラでは撮った写真を専用ソフトで合成するのですが、
オリンパスのOM-Dシリーズにはこの機能が内蔵されており、
カメラ本体で合成を完結させることができます(ライブコンポジット)。
またその工程もライブビューで確認することが出来るためとても面白いんです。

上の写真はISO1600 シャッタースピード15秒を1時間ライブコンポジットにて撮影しました。
とても楽しかったのですがとても寒くてかなりつらかったのを覚えています。

あ、私NIKON使いですがオリンパスからのカメラデビューということもあり、
今でもオリンパスは大好きです!


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重要なのはこの二点!

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ということで、ここまでで星撮り時にとても必要になる設定項目を簡単に説明させていただきました。
ISO感度シャッタースピード共に影響するのが「光の取り込み量」と「画質」です。

シャッタースピードを遅くすると星は映るけど流れてしまい、
逆に早すぎると写りずらい…

ISO感度を上げると星は映るけどノイズが乗ってしまい、
逆に低くするとノイズは乗らないけど星が写りずらい…

とまぁどちらの設定もこのように長所と短所があるのです。
この二つの設定をうまく組み合わせて、
「なるべくたくさんの星を映しつつも流れず一点で止まりつつかつノイズが少なくなるように撮影する」
のがポイントです。
もうこいつ何いってんだ?って感じですよね、でもこれなんです。
そんなわけでこの条件を満たす写真を撮るべく、ISO感度シャッタースピードを調節がスムーズにできるようにしておきましょう。





ピント調節

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おそらく皆さん一番不安になられているであろう「ピント調節」
残念ですが星にAFは聞きませんのでマニュアルでの調節の仕方をきちんと確認しておきましょう。

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NIKONのカメラの場合、ボディ左側にある「AF/MF」スイッチ又は、
レンズについている「AF/MF」切り替えスイッチどちらかを「MF」側にスライドさせます。
これでマニュアルでのピント調節が可能になります。
あとはピントリングを回してピント調節を行います、簡単ですね!
ズームレンズを装備されている方はズームレンズとピントリングの位置をきちんと確認しておきましょう。
折角構図を決めたのにズームしちゃった!なんてもったいないですよ!

ピント合わせに関しては撮影編にて説明します。
とりあえずまずは「AF/MF」切り替え方法とピントリング操作方法を覚えておきましょう。

また合わせてレンズ手振れ補正機能をOFFにしておきましょう!
今回は三脚を使用しての撮影となります。
便利な手振れ補正機能も逆効果になる場合がありますので、星を撮る際にはOFFにしておいてください!
ニコンのカメラで手振れ補正機能付きレンズの方は上の写真の「VR」というスイッチをOFFにしましょう。




絞り値

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絞りに関しては今回、キットレンズ(に近い)を使用するつもりなのであまり変える必要がないと考えています。
お手持ちレンズを開放(一番F値が小さくなるよう)にして撮影に挑みましょう。
実際開放から一段絞って使うと解像度得られるなんていう話もありますが、今回我々にそんな余裕はありません。
ガンガン開放で攻めていきましょう。
とはいえ折角なのでこの機会に操作方法もきちんと学んでおくと後で役に立つ時が来るかも?





星を撮る際に変更が必要となる箇所は以上です。
おさらいしておきましょう。

ISO感度
シャッタースピード
・ピント調節
・絞り値

この4つをいつでもすぐに変えられるように事前にしっかりカメラを確認しておいてくださいね!





そのほかの設定


ここからは操作以外にカメラ本体の設定などについて簡単に説明していきます。
カメラにはいろんな機能がありますが、それらの設定を見直して星撮りにあった仕様にしてみましょう!




長時間ノイズ低減はOFFがおすすめ!

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まずはこれ。
長時間ノイズ低減機能はOFFにしておきましょう。
これは撮影した写真からカメラがノイズを低減させて保存してくれるという機能。
まさに星撮り時にはうってつけの機能!なのですがOFFにします。

(え?なんでなん?ノイズ処理したほうがいいやん!)

とお思いの方、確かにその通りです。
しかしこの機能には実は大きな弱点があるのです。
それは…「ノイズ処理には撮影したのと同じだけの時間がかかる」からなんです。

というのもこの機能、通常通り撮影した写真とノイズだけを撮影した写真を用意し、
通常写真からノイズ分だけを引くことによりノイズ処理をするという機能。
その2枚を用意するために2倍の時間がかかるというわけなんです。

想像してみてください。
冬のこの時期、星を撮ろうと星がたくさん見える山にいる貴方。
どうです?寒くないですか?寒いですよね?いや寒いですよ!

そんな時ノイズ低減をONにしていたら…単純に同じ時間でも半分の枚数しか撮れないんです。
これってかなり痛いですよね。
また、操作がすべてマニュアル、しかも暗い中での撮影と慣れるまでは普段とは違いなかなか思うようには行かないはず。
そんな中だからこそ練習のためにたくさんの写真を撮るべきだと私は考えます

たとえONにしていたとしても、
確かにノイズ低減されてはいますが…そこまではっきりとわかるわけでもなく、正直微妙です。
また一部カメラでは星をノイズと勘違いして折角撮れた星まで消してしまうなんてこともあるそう。
ノイズ処理自体後からでも処理可能(RAW撮影推奨)なので、
ここは思い切ってOFFにして枚数を稼ぐことをおススメします。
高感度ノイズ処理に関しては時間が変わらないのでONのままでも大丈夫です。




保存形式「RAW+JPEG

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次は保存形式です。
皆さん普段どの形式で撮影してます?
私のおススメは「RAW+JPEG」です。
というか普段からこの保存形式にて撮影してます。
それには理由がありまして、
星を撮ったら現像することをおススメしたいからです。
というのも皆さんがネットで目にしたことのある星の綺麗な写真は、
たいてい現像処理時に星を強調するような処理をしてるはずです。
現像することによって星を際立てたりとより理想に近い写真へと近づけることが出来るんです。
また、RAWを現像する際にノイズ処理も行いたいという理由もあります。
これを気にRAW撮影して現像デビューしちゃいませんか?




セルフタイマー

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最後は「セルフタイマー」を設定しておきましょう。時間は2~5秒程度でいいと思います。
ちなみに私はいつも5秒で使ってます。
セルフタイマーはあれです。集合写真を撮るときに使うやつです。
え?なんでかって?それは…手振れ防止の為です。
本来なら「レリーズ」を使って撮影すべきなのですが、
お試し編のためまずは手持ちの機器での撮影に挑戦することを目的としています。
とはいえ、カメラのシャッターを直接操作すればシャッターを押し込んだ振動でぶれてしまうなんてことも考えられます。


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それを防止するために使用するのがセルフタイマー。
これを利用すればシャッターを押してから実際に切れるまでの時間を作ることが出来、ブレを防止することが出来ます。
ちなみに私の場合、レリーズも所有しているのですが実際に撮影するときはほどんどこのセルフタイマーにて撮影をしています。
だってレリーズ引っ張っちゃて大惨事になるのも怖いし、撮影後に落としそうだし、電池いるし…
とまぁいろんな理由からほとんど使用しなくなってしまいました。
とはいえこの方法でも十分撮ることが可能ですので、この設定を忘れずに。
設定とは別に実際に使用する際のシャッター方式切り替え方法も確認しておいてくださいね。
レリーズお持ちの方はそれを使っていただければこの項目は設定不要です。
また、純正レリースはそこそこのお値段ですが、サードパーティー製はかなりお求めやすい価格なので、
これを機に一つ購入しておいてもいいかもです。
私もロワジャパン製を持っています。
レリーズによって対応機種が異なりますので購入前に確認してくださいね。

Nikon リモートコード MC-DC2

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まとめ

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ということで今回のまとめです。
まずは現地で困らなように以下の操作が出来るように事前に調べておきましょう。

・マニュアルモードへの変更方法
ISO感度
シャッタースピード
・絞り


また、下記設定を見るのも忘れずに

・ノイズリダクションはOFFに!
・RAW+JPEGでの保存がおススメ!
・セルフタイマー


お出かけの日までに一度目を通してみてくださいね!




次回は「場所選び」編!

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ということで今回は操作&設定について書いてみました。
撮影当日に困らないように事前にきちんと確認しておいてくださいね!
次回はいよいよ撮影!…にはまだ行かず、撮影に適した場所などを確認してみましょう。
それでは!



月刊星ナビ 2018年3月号

月刊星ナビ 2018年3月号